mixiユーザー(id:44024462)

2021年10月07日22:02

117 view

軽井沢バス事故の運転技術論を書きます

軽井沢バス事故で、検察側の証人として出廷するだろう森嶋運転手と、私の運転技術に関する見解の違いを書いてみたいと思います。

最初にお断り致しますが、この見解の違いは、殆んどの運転をする方に共通する問題でもありますから、それを念頭にしてお読み下さい。

よくある片側一車線の、大型車では道幅が殆んど余裕が無い道路で、見通しが悪い・効かない場合に、皆さんはどのような運転をしますか?
コーナーが始まっても、センターラインに寄っていたり、大型車なら、センターラインをオーバーしている事が多いかと思います。
が、私の運転方法は異なり、反対車線に対向車が居ない状況を作り(速度を調整してでも、です)コーナーの手前でセンターラインに寄る・またはセンターラインを少しオーバーして、コーナーの先の状況を確認します。これはコーナーの手前にコーナーを作っているわけですから、見通しが殆んど無い場合、直角以上の角度が有る場合以外は、センターラインを踏む必要はありません。
そしてコーナーではセンターラインから離れて、普通の位置で走行するのです。
これは同じように感じるかも知れませんが、見えないコーナーでセンターラインをオーバーした場合、出会い頭の衝突の危険があるからです。
コーナーの手前に、コーナーを頭の中に設置する事で、見通しを確保し、対向車が来た場合でもコーナーが始まる〓逃げ場が大きくなる。という効果があるからなのです。
これは、センターラインの無い山道などでは特に必要な事で、出会い頭に衝突しなかったとしても、車は斜めになっていますから、すれ違いが困難になりますが、私の運転方法なら、車は斜めにはならないし、斜めになっていたとしても、角度が小さいので、すれ違いが楽なのです。
そして、山道などで真ん中を走るのは、コーナーの中でセンターラインをオーバーする事と同じだと、そう認識して下さい。

狭い道、片側一車線の道での走行では、しっかりと車線をキープする事が事故の確率を減らします。
当たり前の事ですが、車線の中でセンターラインに頼って右に寄り、対向車が来て怖くて左に逃げ、またセンターラインに頼って右に寄り、対向車が来たから左に逃げる。こんな事を繰り返している方も居ます。
森嶋運転手も、酷くは無いですが、同じ傾向があります。
しかし、国産車の右ハンドルなら左目、左ハンドルなら右目を、同じ車線の百メートル以上先の、見える車線の真ん中に合わせて走行すれば、車の大小や車幅に関わらずに、しっかり車線の真ん中辺りを走行できるのです。これを運転に必要な目の使い方と言います。
遠くを見る事で、早くから先にあるカーブの角度を、かなり正確に想定出来ますし、その為の準備も出来ます。
そして、遠くを見る事で、目の前の車だけではなく、2台先3台先の状況を把握する事も可能になります。これは危険を予測できる効果を生みます。

皆さんは、センターラインや車線を区分する黄色や白の線の太さをご存知ですか?勿論ですが白の破線も同じで、基本的には15cmの太さです。
では、左右のドアミラーやサイドミラーは、どのくらい車体からはみ出ているのか?
これらのミラーは、車体の最も幅が有る部分には取り付けられてはいません。ですからはみ出ているのは10cmもありません。
つまり、貴方がセンターラインの内側ギリギリを走り、対向車が同じようにセンターラインの内側ギリギリを走っていない限り、ミラー同士が衝突する事は無い。という事なのです。勿論、こんなギリギリのすれ違いは、非常に怖い事ですから、これを承知の上で、車線ラインの幅の2本分以上をあければ、これでセンターラインから30cm以上の余裕が取れます。対向車がセンターラインからどのくらい離れているか?これもセンターラインの太さを参考にすれば判ります。
直線走行の前に車が居ない状況の時、先に書きました目の使い方をして、左右の余裕がどのくらいなのかを、車線の太さを参考にして把握して置けば、何事か有った時に、どの程度までハンドルが切れるかも確認できます。
センターラインが無い道路でも、幅はそこそこ有るが、電信柱が出ていて、それが歩道を確保しているような道路もあります。
このような状況でも、遠くの目標を車線の代わりにする事で、電信柱からイチイチ逃げなくても走行出来ます。
それは、さきに書いた目の使い方の応用で出来、怖がって真ん中を走る必要は無いのです。
森嶋運転手が、土屋が電信柱にぶつかりそうに走行した。と、証言したのは、土屋は私が教えたこの走行を実行し、森嶋はそれが出来ない為、真ん中を走っていた。という事なのです。
この道幅は、7メートル程度有り、電信柱は左右とも端から1メートル程度の所に立っているのです。多分土屋は、電信柱から3メートル位の場所を走行したのだと考えられます。
電信柱以外には人も車も無い状況なら、ど真ん中を走らないようにと、私が指導しました。バスの幅を考えますと、電信柱から左のサイドミラー間の空間は、約50cm弱。ど真ん中走行派には、電信柱スレスレと思えたのでしょう。そんな証言を事実しています。

カーブの走行の話に戻りますと、遠心力を殺し、車の安定性を如何に保つのか?という問題が有ります。
車の走行時の安定性は、タイヤのグリップ力に表れます。
グリップ力が強いのは、加速している時で、次は同じ速度で走行している時、ブレーキを踏んで減速している状況では、慣性の法則に依って、非常に不安定になります。
カーブの遠心力も慣性の法則の結果であり、加速している時には、常に加速している速度の慣性の法則が働きます。
逆に、減速している状況は、その時の速度に、それ以前の速度の慣性の力が全て掛かってきます。ですから、簡単に前のめりになりますし、体を横に振られるのです。

カーブを回る時には、カーブの頂点まで、微妙な加速を続ければ、理論上でもその時点の速度だけの遠心力という事になり、微妙でも加速をしている限り、遠心力の働きは弱い。それは先の説明でお分かりだと思います。
カーブの手前で準備する。そう私は書きました。それは、カーブの角度を想定して、頂点までに何キロ加速させるのか、その加速する速度の為、手前でしっかり減速して、加速する為の速度に合わせる。という事でもあります。

実は、このカーブでの加速は非常に難しいのです。
何故なら、強くアクセルを踏めば、加速が大きすぎて、減速をしなければなりません。
カーブの途中で減速する危険は、先に書いた通りです。
土屋には、それを話して、加速する為の速度を倍とるように教えました。

この運転技術は、実は同じ速度で走る定速運転の技術の応用なのです。
高速道路では、微妙な登り下りもありますから、その微妙な登り下りに合わせて、本当に紙一枚の差で、アクセルを微妙に踏み分けなくてはなりません。この技術は、観光バスの運転手でも、20~30人に1人しか居ません。そして殆んどの運転手は、その調整の基本は、排気ブレーキです。
現在の排気ブレーキは、数段階で効き目を変えられますから、高速走行時でも、ショックを与えずに微妙な減速が出来るのです。しかし、それでもこの位少ないのです。

森嶋運転手には、この技術はありません。
運転技術とは、ある一面では科学です。先に電信柱の話しをしましたが、はみ出した枝やら標識、日除けのシートなど、道路に出ている物は沢山あります。が、目の使い方に慣れる事で、これらのはみ出したた物がどのくらい出ているか、直角にそれこそ電信柱のように仮定する事で、避けるか避けないかを判断する余裕が生まれます。
そして、避けるのに必要なハンドル操作も、車線ラインの幅を参考に、かなり正確に判断が出来ます。
そして、細かく繊細な操作をするのは、感性と努力です。
私は、どんな狭い道でも、どんな山道でも、お客様を不安にさせない・車酔いをさせない為に、研究もしましたし努力も重ねて来ました。そしてそれをこうして書いてみました。
森嶋運転手と同じように考えて運転している方、これを参考に運転を変えて下さい。
軽井沢バス事故の裁判が始まりますが、そこに出廷したとして、土屋の運転技術に対して、森嶋運転手と論争になる事の骨子を書きました。

事故手前250mの地点で、土屋は、事故を回避しようとして、ブレーキランプを点灯させながら、必死に曲がって行きました。私はそんな土屋に対して、ここに書いた事を教えました。
土屋は、観光バスの運転手として、下から20番位の運転技術でしたが、その教えに対して努力し、2回目の最後には30~35番目位まで上昇したのです。私はそんな土屋が、下り坂で加速する程度にしかブレーキを踏まなかったとは信じられません。
あの手前の加速しながらも傾きが意外に少ない曲がり方。事故を避ける。そして観光バスの運転手足らんとする意志を感じます。皆さんはどんな感想を持つのでしょうか?
10 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する