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2021年04月15日12:14

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ラクサンポ193

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
スーパーマーケットで食料品の品出しをしている高橋。川口が訪れる。仕事が一通り、終わった後で、雑談をする二人。

川口
「よく、決心しましたね。ここで働くこと。家の中に引きこもって居たので。私は手の打ちようがなくて、正直困っていたんです」

高橋
「自分の生きる範囲は狭いことを割り切って、今の生活を大切にすることにしたんでです。川口さんが言ったでしょ。自分のプライドを捨てる気になったんです。川口さんのアドバイスのおかげです」

川口
「そう言っていただくのはうれしいけど。俺、なんかいいアドバイスしたかな」

高橋
「自分のできる範囲を考えたんですよ。無理しても仕方がない。時間があるのなら、それを活かして、使った方がいいと言ったでしょ。割り切ってしまったんです」

川口
「そうですね。何もしないよりも、とにかく動いてみる。高橋さん、やりましたね」

高橋
「父親の介護を考え過ぎたんです。介護サービスをできるだけ使って、自分の時間も作る努力をしなければなりませんから」

川口
「頭が下がります。これからもがんばってください。それしか、言えない自分が悲しいな」

高橋
「ありがとうございます。又、辛くなったら、川口さんに連絡します」


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