私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
森井が三浦をスタッフに紹介している。
森井
「ボランティアで、見えた三浦さんです。作業班の手伝いをお願いします。9、5時で入ってもらいます。よろしくお願いします」
三浦
「三浦数馬と言います。今日からお手伝いさせて、いただきます」
スタッフ男
「よろしくお願いします」
スタッフ女
「こちらこそ、楽しくやりましょう」
森井
「散歩の付き添いをお願いします。田中さん、三浦さんも一緒にお願いします」
三浦
「はい」
田中(スタッフ女)
「こちらへ来てください。これから皆さんを連れて、散歩に出かけます。これはリハビリを兼ね、歩行訓練をします。私と一緒に高齢者の方に危険がないようにしてください」
三浦
「何もわかりませんが」
田中
「大丈夫、外へ出たら、指示を出します。とにかく、来てください」
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