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2020年12月10日10:26

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ラクサンポ176

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。

川口と三浦、山道を歩いている。

川口
「キャンプで、楽しかったこと、他にはなかったかな」

三浦
「寝袋で、寝たのが、楽しかったかな。布団の中より、気持ちが良かったから。別に他、お思い、当たらないなあ」

川口
「そうだ。料理作ることに興味はないかな」

三浦
「俺、自分の食事を作るのは好きだよ」

川口
「どんな料理をいつも作ってんですか」

三浦
「野菜いため。肉と野菜を買ってきて、きざんで、入れるとうまいよ」

川口
「俺、できる料理、それぐらいだな。今度、作って、食べさせてくれないかな」

三浦
「いいけど。それと、俺が次の生き方を探すのに、役立つんですかね。信じられないな」

川口
「なにか、手がかりがつかめるかもしれない。来週、都合のいい日、三浦さんの家で、料理を作ろう」

三浦
「又、水曜日がいいや」




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