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2020年12月04日09:36

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ラクサンポ175

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
芝生に寝転がる川口と三浦

川口
「外は気持ちがいいでしょう。難しいことを考えず、今日は気分転換しようよ。
少しは頭が休まったかな」

三浦
「久しぶりだ。こんなに外が、気持ちいいなんで、考えなかったけど。気持ちいいですね。何をやったら、いいのかなあ。俺って、どうしたら、いいんだろう。川口さんがたまに訪ねてくれるんで、気分転換できるけど。家に居たら、又、息が詰まってしまいそうだ」

川口
「子どものころの楽しかった話、もっと聞かせてくれないかな」

三浦
「え、そんなので、良いかな。別にすごいことじゃないし」

川口
「山でキャンプしたって、言ったでしょ。それを詳しく、話してくれないかな」

三浦
「キャンプの好きな叔父と叔母が居て、従兄弟と一緒に行ったんだけど。固形燃料で、ご飯を炊いたのが、うまかったな」

川口
「俺も、食べてみたいな。それで他に何食べたの」

三浦
「バーベキューさあ。材料を近くの店で買ってさあ。包丁で野菜を切ってさあ。コンロで焼いたんだ。すごく美味かったよ。あのまま、続いていると、良かったんだけど。中学高校にとなったら、その親戚と付き合わなくなっちゃたんだ」

川口
「どうして」

三浦
「俺、自分の行きたい高校に入れなかったんで、しばらく不登校になってさあ。それ以来、会ってない。従兄弟は二人いたんだけど、二人とも大学に行ったらしいんだ。俺、専門学校でしょ。劣等感があってね」

川口
「わかるなあ。その気持ち」




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