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2020年07月10日09:42

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ラクサンポ155

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。久しぶりに元同僚、並木義江へZOOMで仕事の問い合わせ中。

川口
「久しぶりで、悪いけどさあ。仕事が少なくなって、困っているだけど、俺にできそうな仕事、そちらに有るかな」

並木
「久しぶりね。元気そうじゃない。仕事ね。私も最近、半分はテレワークになってね。セミナーもほとんど、オンラインになったから。川口さんに頼める仕事はないですよ」

川口
「そうか。以前はけっこう助けてもらったけど。そちらも、厳しいの」

並木
「受講する生徒数が減りだして、売上は40%オフですよ。こちらも、いつ解雇になるか、びくびくしているわ」

川口
「同じだな。佐々木君にも、森井さんにも声をかけたんだけど、返事が戻ってこないよ」

並木
「エー、まだ教え子とつながっているの。どっちが、教えていたか、わからなくなったみたい」

川口
「頼れる知り合いがあまり居ないからね。ああ、もう少し器用なら、仕事がありそうなんだけどな」

並木
「ごめんなさい。川口さんの愚痴、聞いている時間、もったいないからね。これで切りますよ」

川口
「ああ、退出しちゃった」



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