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2019年10月11日09:26

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ラクサンポ120

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。NPO事務所、川口が戻ってきた。

川口
「ただ今。一年間、働き続けているから、安心しました」

スタッフ男
「お帰りなさい。経過インタビューか。食品販売会社に勤めた田中さんか。成果はどうですか」

川口
「完全に店の戦力になっていましたよ。田中さん自身も生きがいを持って働いていて、さあ。まずは成功例だったようです。ただ、長年、働き続けるには大きな問題がありそうでした」

スタッフ女1
「どんな問題があるんですか」

川口
「正社員になると、転勤があるでしょ。あの店から離れたくないらしいんだ」

スタッフ女1
「正社員になると、転勤がある。それが嫌なのか。それは発達障害とは関係ないでしょう」

川口
「そうなんです。こちらはどうにもできないな。悩むな」

スタッフ女2
「3年目になったら、もう一度、相談を受ければいいでしょ。その前に、川口さんが、この仕事を続けられるか、問題だな」

川口
「人のことを心配している場合じゃないな。次のインタビューの準備をしよう」

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