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2019年08月23日09:25

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ラクサンポ113

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。

ファミリーレストラン、新人の斎藤君が研修を受けている。マネージャーの佐々木が、川口とともに、居る。

佐々木
「川さん、申しわけないけど、他の仕事があるんで失礼するけど。今日、一日、斎藤君について、注文の取るときに、使う端末の使い方をマニュアルで教えてください」

川口
「はい」

斎藤
「よろしくお願いします。マニュアル、さっき見たけど、ほとんど、文字が書いてないから、俺にはわかりしゃうすいや」

川口
「お客さんから注文を受けたら、この端末、該当のところを押して、確認します。それから全部、終わったら、必ず確認します。『以上で、よろしいでしょうか』」

斎藤
「これ説明、写真だから、字を読まなくて、いいのは助かります」

川口
「練習してみるね。A定食、ライス大盛。スパゲッティナポリタン。かつ丼」

斎藤
「必死に端末機を操作している。以上で、よろしいでしょうか」
ボタンを押し、注文用紙を川口に手渡す。

川口
「これで大丈夫。後は実践あるのみだ」

斎藤
「はい」
安堵の表情が見えた。

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