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2018年12月14日09:31

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ラクサンポ78

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
片岡が事務所へ相談に来ている。川口が対応に当たっている。
片岡
「この前、採用試験について来てもらって、ありがとう。だけど、試験、落ちました」

川口
「残念でしたね。ところで、次どうするんですか」

片岡
「履歴書は後、二つ出したけど、まだ返信がないの。早く仕事がしたいな」

川口
「適当に仕事、選ぶのではなくて。自分の好きで、向いている仕事を探した方がよいと、思うけど」

片岡
「好きで、向いていることね。どうして、いいかわからないから、ここへ相談に来たわけ。検査を受けたら、特定不能の広範性発達障害って、言われてね。子どものころから、いろいろやったのだけど、なにをしたら、いいかわからない状況なの」

川口
「子どものとき、さあ。どんなことをしていたとき、楽しかった」

片岡
「ボケっと、テレビを見ていたときと、好きな音楽を聴きながら、ポテトチップスを食べていたときかな」

川口
「うん。他にはなかったかな」

片岡
「友だちとダベッテいたときかな。バンドも、スポーツも、みんなについて行けなくて、辞めたわ」

川口
「それから、どうしたの」

片岡
「友だちが居なくなって、学校へ行くの、たるくなってしまった。それから不登校からひきこもりになっちゃった」

川口
「そうだね。これから自分探しが必要だ。働いて、給料をもらった経験もあるんでしょう」

片岡
「うん、半年ぐらいかな」

川口
「なにやったの」

片岡
「ファミレスのウエイター。マニュアル通りに仕事ができないで、クビになっちゃった。それ以来、一年、引きこもっているわけ」

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