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2020年07月05日15:13

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一度も撃ってません

 金曜の夜、映画『一度も撃ってません』を観てきた。
緊急事態明け、一発目の映画館。
別に、初日にこだわったワケでもないのだけど、

・先週は忙しかったので、土日、改めて出掛ける気力が起きないかもしれない
・そもそも、そんなに長く上映される映画でもなさそう
・グズグズと観に行かないでいて、また遊びに出難い空気になったら困る

 といった理由で、金曜の仕事帰りに立ち寄ってきた。
時間的には、その日の最終回で、観客は20人ほど。
みんな、“セントラル・ジャンキー”みたいな顔した人たちだった、さもありなん。

 公開前から、「黒澤満の香りがする」、「セントラル・アーツの映画みたい」と散々言われていた映画だが、実際に観てみた感想は、

「あぁ、もう黒澤満はいないんだな……」

 という感じだった。
つまらなかったという意味ではない。
むしろ、名人上手の芝居が腹一杯に観られて、とても楽しかった。
ただ、「黒澤満が、セントラル・アーツが創ってきたような世界は、もうパロディーとしてしか存在し得ない」というのを当事者たちから宣言されてしまったような気がして、ちょっと淋しかったのだ。

 撮ってる人たち、出てる人たちは、1970年代からずっとやってきて、もうやり尽くした感もあるだろうし、令和の世にも、それぞれ活躍の場を確保しているから、そんな抵抗はないのかもしれない。
ファンも、昔からの人たちは、もう結構な齢になっていらっしゃる。
ただ、私みたいに、セントラル的なドラマの最盛期に間に合わなかった者からしてみれば、「これでおしまいでーす」な空気に対しては、「ちょっと待ってよー」となってしまう。

 ある意味、“黒澤満のお別れ会”みたいな映画といえるかもしれない。
とても楽しいお別れ会ではあるのだけれど、「たまには撃ってくださいッ!」って想いも、また拭えないのである。
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