先日のNHKの特集番組でアイアンロードを放映していました。シルクロードと同じように鉄文化が伝わった道がヨーロッパ・中近東圏からアジア・日本にかけて在ることが徐々にわかってきて、その解明の道でした。
以前から「宗像教授伝奇考」というコミックで、この鉄文化の伝搬については知っていて興味を持っていました。エジプトの近くのヒッタイト人たちによって築き上げられた鉄製品の文化が少しずつユーラシア大陸を東進していく姿は人類の文化の一大革新の伝搬でもあります。
「宗像教授伝奇考」の作者の星野氏は鉄と白鳥の渡りにも共通性を見出し、また鉄器の製作者集団の移動にも神秘性を感じておられたようです。日本にも九州、出雲あたりに鉄の道の終着点があるように思われます。アニメ「もののけ姫」にも描かれています。「たたら」と呼ばれた製鉄所、この溶鉱炉の火が夜の山で幾つも輝くことから八岐大蛇の目と思われて恐れられたのが伝説になっていったと思われています。
そして妖怪「一本だたら」は製鉄に携わる人たちが溶鉱炉の中を見つめ続けることで片目をつぶし、鞴(ふいご)という溶鉱炉に風を送り込む装置を片足で踏み続けることで片足を痛め、片目一本足になっていた姿から例えられた姿だという説もあります。
鉄は武力とつながり、神霊的な勢力の土台ともなりました。強い新しい神が鉄器とともに勢力を伸ばしていったと思われます。まさにアイアンロードは新しい神々の進んできた道と重なるように思われます。
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