左を尊び右を尊ぶ

「朝右、夕左、夜右なお良し」ということわざ？ご存知ですか？私の実家では「右良し、左悪し」と言います。時々左右の耳たぶがかゆくなり、いったいどちらがどうなのだろうと、いまだに悩んでいます。

さらに「左思いに右謗り」
左がかゆいのは思われているしるし、右は誹謗中傷をされているということです。

キリスト教ではイエスの子羊は右に、山羊を左に置き、「神の右手、悪魔の左手」といいますとおりに、左側、左回りは不浄なのですね。ですから、ヨーロッパでは右の耳がかゆいのは良い知らせと言われています。

この左右の吉凶はそれぞれの国、それぞれの時代、それぞれの人々の間で異なるのです。

老子道經の三十一章で、老子は「君子居則貴左 用兵則貴右」と、左右のことわりをあらわしています。つまり「君子は左を尊び、兵を用いる時は右を尊ぶ。」と、平生時と戦争時で君子の位置が異なるということですね。

吉事尚左 凶事尚右
偏將軍居左 上將軍居右

吉事には左を尊び、凶事には右側を尊ぶ。軍では副将は左、主将は右に位置すると続きます。これは軍は常に喪礼で動いているのです。

孔子も礼記の檀弓の下で、「既封 左袒 右還其封且號者三」としています。これは「春呉の季札が、我が子の喪礼に、左の肩を肌脱ぎし、右回りに墓を回って三度号泣する。」という、喪時には右を尚んだ春秋時代の儀礼です。

左を尊び右を尊ぶというのは、吉事と喪時の儀礼において、それぞれに尊ぶものなのです。

うーん、いま私、誰かに思われている？

それで私は耳たぶが痒くなるのですが、実際にことわざの耳は「耳穴」が痒いときに噂されているそうで、耳たぶは「金倉」でお金が出て行く知らせです。こうなると「当たり」です。冷蔵庫、ボイラー、ストーブ、水漏れで工事が重なるたびに痒くなりました。ちなみに上輪は人間関係に影響があるとき。

耳は不思議に人相と同じくらいに運がわかるそうです。たとえば女性の左が種実、右が果実で右の方が大きいと報われるそうですが、男性はこの反対。果実が人生の晩年に実るのは嬉しいことです。

追記　左と右の恋占い
■女性が恋するのは左目尻、恋されるのは右目尻に画相がでます。
■男性が恋するのは右目尻、恋されるのは左目尻に画相がでます。
画相って相手のお顔。好きな人の右目尻に自分の顔があるかどうか。