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2020年01月27日02:27

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新型コロナウィルスの切り札

私が24〜25歳を過ごした第二の故郷、湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウィルスの調査のために武漢に赴いている専門家チームの中に「鐘南山」さんがいます。

17年前、新型肺炎SARSと呼ばれた重症急性呼吸器症候群(中国名:非典型性肺炎=非典)が中国で蔓延していたときに、実態を隠して幕引きを図りたかった胡錦涛に対し、「どう見たって医学的に押さえ込んだと言える状況じゃないだろう!」と主張して、胡錦涛をして実態隠しに走った地方幹部を更迭させ、良心的な医師や独自の情報を発信するメディアを評価させた傑物です。

鐘南山さんの現在の称号は「院士」です。

日本の学位は、準学士(短大卒)、学士(大卒)、修士(大学院修士課程or博士前期課程卒)、博士(大学院博士後期課程卒)の4種類しかありませんが、中国では博士の上に「院士」があります。そして、14億人の人口の中で院士の称号を持つ人は、600人ほどしかいません。

院士の「院」とは、「中国工程院」のこと。

中国工程院の実質的な前身は、「中華民国中央研究院」。中央研究院は中華民国および国民党政府の台湾移転に伴い、台北市へ移転し、そこで再建されて現在に至ります。

一方、北京では中華人民共和国の建国後、残った施設や人員により中国科学院が創設され、そこから1977年に中国社会科学院が創設されて、人文・社会科学の研究所はそちらへ移管。またさらに1994年には自然科学系の中国工程院が独立しました。

博士の学位までは、中国でも各大学が発行しますが、院士はすでに院士になっている人たちの推薦がなければなりません。

現代中国の超一流の知識人です。

日本から観ると中国共産党というのはなんて馬鹿な政党なんだろうと思っている日本人がたくさんいますけれど、いざというときにこうした人々の声に傾ける耳は持っています。

鐘南山さんも、今では84歳。その彼が、国家衛生健康委員会のハイレベル専門家グループのグループ長という重責を担うことになって武漢に入りました。

習近平が政敵を葬るために始めた反腐敗闘争で、地方政府が北京に過剰な忖度をするようになり、北京には正確な地方の情報が以前にも増してますます入ってこなくなりました。

トップが目を背け、できれば隠蔽してしまいたい事実を遠慮無く提示できる専門家は、年齢に関係なくどうしても必要です。

その彼に出馬を要請したということは、忖度(そんたく)やご機嫌取りの相手をしている暇が、習近平には無くなったことを意味します。

鐘さんが武漢に入ったことで、今まで出てこなかった更にショッキングな情報が出てくるかもしれませんが、それを知って

「それみたことか。だから中国はダメなんだ!」

と喜ぶ日本人は愚かです。

専門家が示した客観的な情報はまじめに受け止め、且つ過剰な反応は謹んで、不安ならマスクをして外出しましょう。

発生源が中国だからといって、さも深刻ぶりながら大喜びで騒ぎ立てる民放テレビのワイドショーに影響される必要はありません。

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昨日、武漢市武昌地区在住の友人と電話で話しました。

発生源の武漢市漢口地区が、武昌からは長江を挟んで反対側であり、2000mの長江大橋と長江地下トンネル、および長江の渡し船が閉鎖されているので、あまり危機感を感じている様子はなく、食料も普段通り商店に並んでいるそうです。

本人もご家族も無事で私は安心しましたが、逆に私の老母の病気をしきりに心配し、

「治療に多額のお金がかかるなら、いつでも送金するからね。日本の病院はすごくお金がかかるんでしょ。あたしの友達が去年日本旅行に行って怪我して、ちょっと病院に行ったらものすごく多額の請求をされてびっくりしてたの。あなた中国銀行に口座を持ってるでしょ。口座番号を教えて」

と言われてしまい、日本の健康保険や介護保険の制度のことを説明し、年寄りの医療費の自己負担分が腹立たしいほど安いことを理解させ、安心してもらうのに一苦労しました。中国には日本のような皆保険制度が無いので、無いものを理解してもらうのはいつも大変です。

同じことは日本にもいえます。日本には無い他国の事情を理解するのは、日本人にも難しいことです。

徒(いたずら)に(=無駄に)騒ぎ立てないことです。

「中国人お断り」の看板を立てるなどとは、もってのほかです。

*鐘南山さんについては、以下のサイトに詳しく出ています。

http://j.people.com.cn/n3/2020/0122/c94475-9651180.html

*この機会に武漢について勉強なさってはいかがでしょうか。辛亥革命は武漢から始まったのですよ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E6%BC%A2%E5%B8%82
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月31日 02:37
    興味深く拝読しました。勉強になります。それにしても、良いお友だちをお持ちですね。(*^^*)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月31日 23:26
    武漢市は「市」という表記ですが、兵庫県とほぼ同じ面積があり、1100万人の人口が住んでいますから、一口に「武漢市」といってもそこには様々な要素があるのです。

    友人同士のつきあいに日本人と中国人の違いはありません。彼女と私の立場が逆なら、私も同じことを言うと思います。

    それにしても、平成4年当時、交換研究員の私が当地で受け取っていた給与は毎月370元(当時のレートで7500円ほど)でしたが、それで十分生活できました。
    学生食堂での食事は一食30円ほどでした。

    あれから27年経ちました。今や日本人に経済的援助を申し出るほどに経済発展したのだなぁと、感慨深いです。
    彼女の仕事はイベントの企画と人材派遣の会社の社長です。

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