mixiユーザー(id:411965)

2022年05月22日01:16

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「ハケンアニメ!」映画

<ストーリー>
 土曜日5時からの新番組アニメとして大手トウケイ動画の「サウンドバック 奏の石」と委員会制作の「運命戦線リデルライト」が衝突することになる。「サウンドバック」の監督は新人女性監督の斎藤瞳、そしてリデルライトはかつて瞳の人生を変えたアニメを制作した王子千晴だった・・・
<コメント>
 なんで自分はこんなにアニメやSFが好きなんだろうと昔考えたことがある。しかし、そのうちそれは言語化できない感情からなんだと気が付いた。そしてその感情を育ててくれたのが手塚治虫であったり富野由悠季であったり宮崎駿であったりしたと思う。今の人なら庵野秀明とかかな。
 そういった感情を育ててくれた人たちがどういう想いでどうやってアニメを作っているのかを描いた作品だと思う。
 単純にアニメのお仕事だけというのならかつてSHIROBAKOという傑作アニメがあったけれども、この作品では二人の監督によるオリジナルアニメというとてつもなく制作にハードルの高い設定で見ている方の感情をぶんぶん振り回してくれる。
 いや、何度も泣きましたよ、途中でもクライマックスでも。特に主人公の設定がいい。「何のためにオリジナルアニメを作っているのか」を明確にテーマとして出しているので、天才監督との比較もよく効いていて、彼女がプロデューサーに振り回されてスタジオの内外で様々なものと戦っていくのもオトナのお仕事としてよく出来ている。

 一方天才監督の方も彼に振り回されるプロデューサーの決意とオトナの対応はまさに主人公と表裏一体で原作では章立てだったものが映像では交互に描かれることで相乗効果を出している。

 そして小説では絶対にできないこと、つまりそれぞれの制作するアニメを実際に作ってその過程やできた画像を見せることでその成果を目撃できるのだ。この部分がしょぼいとどうしようもないけれども、なんと「サウンドバック」を「若おかみは小学生」の谷東が、「リデルライト」を大塚隆史が演出してマジにすごいアニメが出来上がってしまっているのだ。

 小ネタとして何の脈絡もなくアニメセリフが使われている(「父さんにもぶたれたことないのに!」「あ、出崎演出」)し、田舎にあるアニメスタジオがPAワークスとかをモデルにしているんだろうなあ、とかもマニアとしてうれしい。
 終わった後で普通の観客の3倍喜んで泣ける、本当にアニメファンで良かったと思った。

 ところで、エンドロールの最後に思わずニヤリとさせられるエピローグがあるので、見逃さないように。

ハケンアニメ!
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