これはまったくその通り。と、いうよりも小児科を30年近くやってきた者としては、昨今のスマホがもう便利でしかたがない。
例えばオムツではない子供の便の様子とか、あるいは診察室にきたら治っている皮膚の変化とか、蕁麻疹かそうでないかとかが「スマホの撮ってきて」というだけで参考になるのだ。
なかったものなあ、10年以上前はスマホも。
ところで、「オムツに血が付いた。内臓から出血しているのでは?」という相談が年に一度はあるのだけれども、これはそのオムツを検査するだけでいい。試薬で潜血反応は簡単に検出できるし、オムツについた赤い血のようなものを顕微鏡で見たら野菜の繊維であることが判る。お母さんに「離乳食が始まったようですが、ニンジン食べましたね?」
で決着がつくことがかなりの数であるのである。
あと、誤飲であるけれども子供が誤飲するのはやはり1歳以上。で、「500円玉くらいまでなら大丈夫」というのが小児科的な目安になっている。かなり大きいよな、500円玉って。
【育児あるある】「様子がおかしかったので動画を撮ってた」「飲み込んだものと同じものを持参」 小児科外来のファインプレイ集がためになる
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=6814671
その昔、慌ててオムツを持って診察に向かったことがあり異常なしでした。気持ちが落ち着いたら、やりすぎだったんじゃないかとか後悔がどっと押し寄せたのですが二十年くらいしてこのコラムで漸く安堵しました。汚いもの見せちゃったな、口頭だけで良かったかもとか。私の中では黒歴史レベルの恥ずかしい記憶でした。
いやいやいやいや、小児科医にオムツをもって行くのはごく普通で、かつ論理的な行動です。赤ちゃんのうんこを汚いものだと思うような医者は小児科医としては失格です。うんこやおしっこに限らず、患者さんの体液は全て診断の情報です。
繰り返しますが、僕は診察室では患者さんの赤ちゃんのウンコを汚いとなど思ったことはないです。