「クロスマネー」TV映画

＜ストーリー＞
　シングルマザーのラケルは娘の親権を取り戻すために銀行で支店長をだまして融資を受けようとする。ところがそこに銀行強盗が襲撃してきて、ラケルは人質になってしまう・・・
＜コメント＞
　WOWOWで放映されたスペイン製のクライム・アクション映画。とはいえ、ほとんどアクションはなく、ほぼ全編にわたって人質となった中年女性でシングルマザーのラケルが犯人と警察の間にたって策略を巡らせるという知的アクションが中心となっている。
　警察からの電話に対して犯人に「声紋を調べられたら身元がばれる」と言って警察への連絡係になったあと、犯人の要求を警察に伝えながらその中に暗号をいれて、犯人の情報を伝えながら事態をコントロールしていく様は見ごたえがある。
　途中で犯人側に意外な展開があり、そこから「え？これってこうだよね？」と思いながらもどんどん話が進んでいってそのうち、ラケルが主導権を握っていく展開には唖然とする。

　途中で意外なことになるので、これ以上は言えないけれども、とにかく主人公が魅力的。
　ちょっとバカの男性犯人と頭は良くて度胸がある女性犯人と頭の切れる刑事のそれぞれを手玉に取っていくラケルはなんといったらいいか、要する峰不二子が人質になったという雰囲気といえばいいか。
　暗号が最後まで効果的に使われるのにも驚いたし、オチにもびっくりした。スペインってしゃれた映画を作るのだなあ。

クロスマネー [DVD]
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