mixiユーザー(id:411965)

2021年05月10日02:35

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「プロジェクトV]映画

<ストーリー>
 民間の護衛機関ヴァンガードは実業家チェンの護衛を行っていたが、チェンはテロ組織”北極狼”に狙らわれていた。誘拐されかけた彼をかろうじて守るが、アフリカにいる彼の娘ファリダが狙われていた・・・
<コメント>
 夕刊の映画紹介欄で少々歯がゆい感じの記事が載っていたので、なんでジャッキー映画にそれを?と思って見てみたら、なるほどと納得した。
 まず、ストーリーはほぼないのと同じでしいて言えばロジャー・ムーア版の007とに近い感じでロンドン、アフリカ、砂漠の要塞、ドバイの繁華街がそれぞれのアクション舞台となる。
 元来のジャッキー映画ではストーリーはなくとも、ジャッキー・チェンのその肉体がドラマであった。
 しかし、近年さすがに自分の肉体で語られなくなった作品はジャッキーの後継者を育てるための作品でもあった。
 そして本作であるが、ジャッキーは「カンフー・ヨガ」同様に一線を退いて民間警護会社ヴァンガードのボスとして若手を育てている。アクションも多くはヴァンガードの部下たちに割り振っているのだ。
 しかし、この民間警護組織の装備などから実は「中国精鋭軍事組織」としてしか見えないのだ。そう、夕刊の歯がゆさはつまり、「中国政府にどっぷりつかっているジャッキー」に対してなのだ。
 それを考えたらこの映画は実に暗喩に富んでいる。実業家は取引の相手がテロ組織だと知ってただちに取引を中止して当局に情報を通達した。おかげでアメリカ軍が空爆をして組織のボスは死に、息子が後を継いでいる。実業家の娘は動物保護観察官で、密猟者と戦っている。
 なんというか、「ジャッキー・チェン主演作」というよりは「ゲスト・ジャッキー・チェンによる中国特殊精鋭部隊の活躍、という感じの映画なのだ。だから、中盤にあるよう要塞略戦作戦でもアメリカ軍のユニフォームとそっくりな姿の急襲部隊がマシンガンを撃ちまくるのだ。また、敵に捕獲されたヴァンガードの隊員がその有能さからスカウトされるシーンでは「金なんかいらない。身分相応であればいいのだ。中国語を話せるのに中国文化を学んでいないのか?」とくる。
 誤解を恐れずに言うと、「素晴らしい中国精鋭部隊がアメリカ軍のしりぬぐいをして世界を救う」というものなのだ。
 アクションは確かにすごいけれども、物量作戦が多いのも特徴でかつての小道具を使っていたジャッキーの体技はいくつかの隊員に継承されてはいるのだが、それはすでにジャッキーチェンのそれではなくなっているのだ。
 アクション映画としては楽しい作品だけれども、ジャッキー・チェンのファンとしてはもっと「フォリナー」のような作品に出て欲しかったものである。

プロジェクトV
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