『アナと世界の終わり』
<ストーリー>
イギリスの小さな町で女子高生のアナはいつかここから出て行くことを夢見ていたが、父親は地方大学への進学を規定のものとしていた。しかし、ある日世界中に謎のウィルスが蔓延し、人々はゾンビとなる・・・
<コメント>
ゾンビ映画と言うのはもう定型が決まっていると言ってもいい。「ゾンビの襲来に慌てふためく人々」「立て籠もる人々」「やがてその中で対立が起こり、人間同士の戦いが始まる」「そこに壁を破壊したゾンビが襲来してくる」「わずかな人々が希望なき脱出を行なう」というこのパターンはすでに使い古され、TVシリーズ『ウォーキング・デッド』などは登場人物やシチュエーションで手を変え品を変えてはいるものの、結局はほとんど同じパターンである。
しかし、まさかこれをミュージカルにしてしまうとは。ヒロインが閉ざされたような街での青春を朗々と歌う冒頭からしばらくは本当の『ハイスクール・ミュージカル』である。
ところが、通学途中でゾンビが出現し始めて、ヒロインの後ろで次々と惨劇が起こるのに、イヤホンをつけて歌い踊るヒロインを見ているうちにこれが良く出来てはいるものの変格ゾンビパロディであることが判ってくる。主人公達が不在の場所で起こる大人たちの対立はそのままパターンを放り込んだだけだし、そこで悪役の校長が「やっと俺の時代が来た」と歌うに至っては「なにこれ?」だし。
やがてヒロインの周囲の友人達はゾンビの犠牲となってゆくのだけれども、ミュージカルなので悲壮感があまりなく、だからこそパロディとして成立しているともいえる。
曲もいいし、ヒロインも可愛いので文句はないのだけれども、この手は一回しか使えないな。やったもの勝ちの作品。
アナと世界の終わり[DVD]
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