『金魚屋古書店 17』
<ストーリー>
金魚屋古書店を巡る人たちにもそれぞれの人生の転機が訪れる。岡留はセドリで30万円を稼ぎさらに『ベルサイユのばら』の絵皿を捜すために奔走し、みのるは自分の行くべき道を模索する。そしてシバと菜月はあるべき一つの目標を目にする・・・
<コメント>
掲載誌の休刊で中断のまま終わったかと思っていたら、半分以上書き下しを加えて無事に最終の第17巻が発行された。僕もマイミクさんの日記で見なければ見落としていたかもしれない。
113,114話でのマンガと人生を巡る各個の話は確かに面白いけれども、なんと言っても書き下しを最大限に利用した115,116話は実に感動的で、岡留とあゆが『ベルサイユのばら』の絵皿を捜す話は二人の絆の深さとマンガを愛する心が見事に繋がる。さらにこの話の後半が116話のシバと菜月の話と実は同時進行であったというくだりは単行本書き下しでないと出来ない計算だよなあ。
途中で挿入される『鬼滅の刃』を読んだ少女が泣きながら老婆に問う言葉とその答えはそのままマンガを読む、読んできた我々の心に刻まれたものだし、それが受け継がれていくからこそ、『鬼滅の刃』がここまで人気があるのだろうなあ。
そして、あえて盛り上がりのないシバと菜月の関係はだからこその大団円を迎える。いやあ、本当にマンガを読み続けてきてよかった、と思える作品。
金魚屋古書店(17) (IKKI COMIX)
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