mixiユーザー(id:411965)

2020年02月25日02:17

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「王妃マルゴ 8」コミック

『王妃マルゴ 8』
<ストーリー>
 アンリ・ド・ギーズが暗殺され、王位簒奪を巡る争いは過激さをます。一方ウッソンの城に幽閉されたマルゴは息子のサパンと共に平穏な日々を送っていたが、ギーズの死を知って・・・
<コメント>
 萩尾望都のフランス歴史劇というなんか一周回ってすごい話だったけれども、ついに完結した。幼少の頃から晩年までを8巻というコンパクトなボリュームで描いている。特にいかにも萩尾望都らしい(良い意味での)芝居がかった演出によってかなり複雑で生臭くて嫌な人下関係の話がサクサク読める。
 まあ、それはそれでいいのだけれども、これを読んで納得したのが「そりゃ、フランス革命も起きるよなあ」ということ。もちろん権力争いとか陰謀術中は世界中にあるだろうけれども、この頃のフランス貴族たちの腐敗とか貴族にあらずんば人にあらず的なやりたい放題さ、カトリックとプロテスタントの対立の根深さなど圧巻の迫力で描かれる。そしてこの腐敗と権力への執念を庶民が見つめているというのもすごい。
 昔は「フランス人は革命を起こしたのに、日本人はペリーが来るまで革命を起こせなかったのか。フランス人偉い。」と思っていたけれども、これは徳川家康というか当時の支配者が実に巧妙に見事に政治大系を作り上げて家康自身が神となって宗教対立が起こらないようにし、さらに御三家とか色々と後継者問題とかで争いを最小限に留めるようにしたので、300年も体制を維持できたのだろうななあ、と逆に感心してしまう。
 まあ、とにかく絢爛豪華な歴史絵物語ということで面白かった。

王妃マルゴ 8 (愛蔵版コミックス)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=411965&id=4919695
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