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2019年12月04日01:13

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「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 北からの黒船」本

『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 北からの黒船』
<ストーリー>
 ロシアの商船の船員ステパノフは日本に漂着したところを捕らえられるが、脱走する。江戸市中に侵入したとの報に緊急警備が敷かれ、女岡っぴきということでおゆうたちも動員されるのだが・・・
<コメント>
 江戸と現代の二重生活を送るおゆうこと関口優佳の科学捜査捕り物帖シリーズ。科学捜査といえば『CSI:科学犯罪捜査班』のごとく指紋やら血液鑑定やらルミノール反応やらなんぼでもネタはありそうだけれども、この巻を読んで感心したのは作者が極力「科学捜査も前に使ったネタは極力使わないようにしている」ということ。なるほど確かに指紋やらDNA鑑定とかはネタにしやすいだろうけれどもこの設定でそれをやったらあっという間にマンネリになるのは間違いない。これを避けるために作者はなんと科学捜査のポイントを毎回異なったものにしているのだ。今回は何の科学捜査を利用するのかを言えば即ネタバレになってしまうのだいえないけれど、なかなか壮大な設定とそれを突き崩す科学捜査に後半で唖然としてしまう。
 実は本作では大きなプロットはわかりやすくて、そこにまつわるサブプロットが少々判りにくいという結構複雑なつくりになっている。そのあたりが整理されればかなり盛り上がったと思うのだけれども。
 ただ、さすがに毎回ゲストが豪華で今回はなんと大黒屋光太夫。事件に大きくは関わらないけれども、脇役にこういう歴史上の人物が出ておゆうと会話するところなどはゾクゾクしてしまう。
 エピローグで語られるとある人物の正体とかは実に楽しい。あっという間に読み終えるまさに読む2時間ドラマのSFミステリ。

大江戸科学捜査 八丁掘のおゆう 北からの黒船 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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