mixiユーザー(id:411965)

2019年09月24日00:38

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「アド・アストラ」映画

『アド・アストラ』
<ストーリー>
 突如地球を電磁サージが襲い、各地で被害が起きる。宇宙飛行士のロイ・マクブライドは極秘裏に呼び出され、今回の事件には16年前に海王星で行方不明になった父親のクリフォードが関与していることを知らされる・・・
<コメント>
 冒頭の宇宙ステーションでの事故の壮大な描き方(ステーションから転落したロイが延々と落下していく姿を遠景で映し続ける凄まじいスケール)から始まって「映像で語る」というタイプのSF映画。実はこれがけっこう難しくて、多くのSF映画ではセリフで説明するシーンを本当に映像だけで語ろうとしている。つまりSF作家というよりは映像作家としての監督の特徴が前面に出ているのだ。判りやすく言うと古くはキューブリックの『2001年宇宙の旅』がその代表かな。
 だからストーリーは主人公のモノローグで淡々と進んでいくのだが、これがつまりコンラッドの「闇の奥」を宇宙物語としたもの。ただ、太陽系の最果てまで主人公が追いかけていくものが結局父親だというのがよくも悪くもこの作品の限界的な部分となっている。
 だから海王星に行くまでのロイの地獄巡りがもう一つ物語にかみ合ってこない。月面バトルや難破船での悲劇が不必要にさえ思えるのだ。まあ、これらがないと後半のアクションシーンでのロイの強さに説得力がなくなるのだけれども。
 クライマックスにおいてクリフォードが結局何をしたかったのかも良くわからないし、サージの原因もちょっと肩透かしだったし。
 監督が映像で語りたかったものは判らないではないけれども、そこにやはり一抹の結論的なものを見せて欲しかったものだ。

アド・アストラ
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