そして日中はスマホ片手にテレビ付けっぱなしの日々、折しもテレビでは連日、高畑敦子さんの息子の事件のニュースばかりとなり、高畑さんの会見をボーっとみていた
会見を終えて帰る高畑さんはふらついた
あ〜この人も今、これ以上の底はないというくらいのどん底にたたき落ちた心境だろうな
お先真っ暗闇で先の事なんて全く考えられい奈落の底
酷い精神的なショックで動悸息切れと立ちくらみとで体調ボロボロなんだろうな
死んだ方がマシって考えてるんだろーな…
昇も同じ様な心境だったが死んだ方がマシとは考えていなかった
だから…
生き地獄ってのもあるんだろーけど、先が無いってのはね、突然命の先が無いってのはね…もぅね挽回も出来ないし
底に見えても高畑さんにも息子にも、まだ命があるんだよーーーー
そんな事を考えながら見ていた
生きているのに生きた心地がしない程怖い
死という漠然とした闇への入口がすぐそこまで来ているようで…
しかもそんな重大な事が突然いきなりだ
いきなり大きな深い恐怖の闇が口をパックリあけて待ち構えてる
昇の先にだけパックリと
確実に呑み込もうと待ち構えてる
そんな恐怖から時折諦めの心境にもなる
もぅね足掻いても運命には逆らえない感じでとても無力感
だけど死にたくない
怖いもん
でもね、それこそそんな心境で先は真っ暗闇と思ってる昇も、余命幾ばくもない方や傍から見たら、まだ再発も初期でしょ
貴女にはまだ日にちもやれる事もあるでしょ
動けーーーーーーー!!ってそう見えてるんだろうな…
さて、やれる事とは…
卵巣癌再発で検索して、卵巣癌だけでの検索では見た事なかった記事の中には転移云々の記事だけではなく、こんな治療法の事もあった
自家ガンワクチン免疫療法
NKキラー免疫療法
蓮見ワクチン免疫療法
どおやら保険外の治療らしい
そこにはこぅ書いている
もう手がありませんって医師の言葉は本当は、もう保険治療では手がありませんと言わなくてはならない…と
また別の所では
藁をも掴みたい癌患者の足元を見るような法外な料金の健康療法もあるので、くれぐれも気を付けて…と
冷静に見比べて見極めねばならない
自家ガンワクチンは従来型の免疫療法とは違い云々書いてある
従来型とはNKキラー免疫療法の事だ
NKキラー細胞を培養して増やしたNKキラーで癌をやっつけるという方法だ
従来型の難点は先ず癌自体も自分の細胞なので、NKキラーが癌を異物と見なさず見つけれない事が多い
培養に大きな設備が必要でその為に費用も高くなるとの事
自家ガン免疫療法では自分の癌組織からワクチンを作る為、ワクチンが癌の全ての特徴を知り尽くしているので定着すればよく効くとの事
培養する必要はないので大きな設備を必要とせず、従来型よりコストが低いとの事だ
自家ガンはNKより後発で、それらの難点を補うような形で開発されてるんだな…←あくまでも昇の勝手な解釈です
蓮見ワクチンはそれらより大分歴史が古いようで、開発に関しては、それらとはあまり関係性はないというか、そもそも出発点が違う
医師であり開発者でもある蓮見喜一郎博士の癌ウイルス説から由来のワクチンの様だ
ウイルス説を唱えた時点で医師会からは、当時から未だに総スカンを喰らっているようで、保険取扱い医療機関の表舞台には出てくる事の無い名前
蓮見ワクチンと自家ガンワクチンの違いは…蓮見ワクチンはワクチンを癌患者の尿から作る(この時期に知りえた情報では)のに対して自家ガンは患者自身の癌組織からだ
全て免疫療法だが、免疫療法は手術、化学療法、放射線の次の第4の治療とも書かれており、それらの記事を見て少し気持ちが明るくなる
特に自家ガンワクチンの記事に惹かれた
が、問題は摘出した臓器が残っているかどうかだ
摘出したのは、もうかれこれ1年程前になる
病院に電話してみる
先ずは1年前に摘出した臓器が残っているかの確認だ
1回の電話では分からず、調べておいてくれるとの事
また後日電話してみる
残ってるのかドキドキもんだったがホルマリン漬けの状態で残ってるとの事
パラフィンブロックではなくホルマリン漬けとは一番理想的な状態だった
なんていい病院なのだろう
気持ちがぐっと明るくなった
締め付けられている胸の辺りが少し開いた感じで
再発と聞いてから一番の心の軽さだった
臓器が残っていたら、次には先生にも用意して貰うモノがあるらしい
再び病院に電話→医事課→病理部→先生の手順をもう1回
先生不在や、お帰りだった日にはこのやり取りの間に看護師さんも入ったりする…
間に土日が挟まると全てはストップするなどの繰り返しで、何日かでやっと先生と繋がる
持ち出して良いか調べてくれるとの事で、後日先生の方から電話をくれる事になった
手続き一つに結構日を要する一方で、1日1日が長い長い期間でもあった
また、そんな事務的な事を手際悪くも淡々としながらも心の片隅では、あぁCTの結果が夢だったり何かの間違いだったらいいのにな…
何回も長い夢だったってオチや、間違いだった時のヽ(≧▽≦)/ヤター！ってなシーンを、よりリアルに想像しては、あ…何百いや何千？もの患者を診てきた専門医が、ほぼ再発と言うんだから間違いの確率なんてあるわけないか…と否定と肯定が錯綜する日々が続いた
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