mixiユーザー(id:4088413)

2020年07月30日15:00

90 view

指と掌

考えてみれば当たり前のことなので今更、という感じではありますが、私にとっては大きな認識変換となったので、記録。

これもリモートレッスンだからこそ気付いたこと。

幸いなことに近場の方のリアルレッスンは6月から再開。

でも、時折遠方より訪ねてくださる方も数名いらして、やはりまだ新幹線や飛行機は・・

ということで、リモートレッスンが続いています。

これが思いのほか、面白い展開になることが多い。

やはり画面でクローズアップされるということ、自分と相手の画像双方を同時に見ることができるということが大きな原因だと思う。

・・さて・・

指の話です。

以前、「シャコンヌ/バッハ」のフルート編曲譜を出版した折、そこに古武術奏法に関しての当時の知見を書かせてもらったのですが、それが以下。

「魚の胸鰭のように」

つまりは「崖の上のポニョ」。

おさかなの胸鰭が徐々に人間の女の子の手に。

ちょっと先祖返りして手指をひれのように動かしてみる。

その延長上に渡しのフィンガリングはある、という話。

この動かし方になったからこそ、早いテクニカルなパッセージが格段にラクになった。

これも楽器の構え方同様、「水平垂直からの脱却」に他ならない。

言われなくても人はついついキィの真上で指の上下運動をしようとしてしまう。

腱鞘炎の主な原因はここにあるんじゃないか、と踏んでいる。

関節は螺旋なのに、上下運動の繰り返しだもの。

バッハタッチに関心を持ってかなり調べたことがあるのですが、伝記を書いたお弟子のフォルケルも言っている。

「手はものをつかむ動きに適している」

掌側に回収されるような動きが本来の機能ということだ。


なのに、その指を手の甲側に振り上げるのがハイフィンガー・・
古いクラヴィーア奏法とは正反対の動き。



より強さが必要な現代のピアノだし、という説明もされてきているけれど、最近はこのハイフィンガーも随分と廃れてきて「イマドキもう居ないでしょう」という人も居るけれど、そうでもない。

私もそうでしたが、フルートよりも以前にピアノを習っていた奏者・・それもハイフィンガーで・・はこの指の動きの頚城がかなり強いのではないかと思う。

まあ、ずっとこういったことを主張してきていて、もう何年も経っている訳ですが、先週のリモートレッスンでようやく、ハタと気が付いたのでした。

胸鰭の様ななめらかな動きをもたらしている大きな要因は掌だった、ということに。

掌の真ん中のツボ。

横隔膜を下げ、結果肩を下げ、呼吸が深くなり緊張が緩和される、という良いことづくめのツボの部分。

ここが中に入っているからこそ、胸鰭の動きは可能になる。

なので、事前に「蕾」の手の内をやっておくととても良い。
実際、この提案で、それまでパキパキしていた生徒さんの指もちゃんと胸鰭の動きに。

思えば、これは手裏剣をやる中で養われる手の内なのだろう。

マイブームが去って、もうすっかりしまい込んでいるけれど、2003年、甲野先生と出会ったばかりの頃は熱心に取り組んでいた。

実際、掌で筒状を作るのは難しいのだけれど、「最初にしては随分と柔らかく出来ている」と励ましていただいたのは良い思い出で。

まさかここに繋がるとは・・

手洗いは新しい生活の基本で、洗う回数も増えたと思いますが、その時もこのツボを意識してやると、指の関節が緩んでより快適に洗える気もします。

やってみてみて。
1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年07月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031