mixiユーザー(id:4078605)

2020年06月21日14:37

167 view

あびの母の服選び

 あびは、おしゃれが好きだ。私も好きだけど、少しタイプが違う。私は服を、デザインやアートを楽しむような感覚でいるけど、あびは自分や人を着飾る、というか、着こなさせるというか、もっと純粋にモードよりのアプローチをすると思う。
 あびは生後2ヶ月のときに、義母に初めてワンピースを着せてもらったとき、うれしそうに笑った。信じない人もいるかもしれないけど、生後二ヶ月でも、かわいい服がうれしいと感じることの出来る赤ちゃんも、いるのだ。3~4ヶ月になると、私がベビーベッドの上のあびに、「この服は似合うかな~?」と新しい服をあててみたりすると、かわいい服のときは、あびはうれしそうに笑って足をぴょこぴょこさせた。
 かわいい服を着て、周りが「かわいい!」と感動するのを見たから、という説明は、違うと思う。だって、2ヶ月のときはそれまでそんなことは一度もなかったのだし(双子育児が大変すぎて、パジャマした着せたことがないから。服どころではなかったのだ。死なないでいさせるだけで精一杯)、私しかいない部屋で、私がもらいものであまり趣味じゃなくて似合うかどうか半信半疑の渋い顔のときも、あびは自分が気に入れば、私が服を当てるとぴょこぴょこしたのだから。

 そんなあびは、もちろんずーっとおしゃれさんだったけど、去年、おととしくらいからはいっしょに店に買い物に行って、もう完全に放鳥してしまう。あびはあっちの売り場こっちの売り場と飛び回り、コーディネートも頭に入れて、自分に必要な服を選んでくる。最初は私が、「これだけでは寒いんじゃない?」とか「これはいつ着るつもりなの?学校でも、うちでも、着る機会がなさそうよ。」とか言う必要があったが、一度言えば同じ間違いをしないので、最近はほぼ問題ない。しかも、値段もしっかり見て気にしてくれる。

 インターネットでも同様。

 そして去年の冬の初め、私がついに自分のショートブーツを買い換えようと、ネットでいろいろ見ているとき。
 私はいくつかのブーツの間で悩んでいた。一つはごくシンプルな、きれいなシルエットのアンクルシューズで、もう一つは同じような形でウイングチップになっているちょっとドレッシーなもの。ほかにも、アンクルブーツの履き口のところが大きな花びらのように、曲線カットされているフェミニンな遊びのあるものもよかった。
 そのとき、あびが横から、まじめに、「一番最初のがいいと思う。お母さん、とりあえず黒が欲しいんでしょ。最後のやつは茶色はかわいいけど、黒はなんかこういうのお母さんに似合わないと思う。」といった。確かにその通り。「でもじゃあこれは?」とクラシック・ドレッシーなのを見せると、「いや、これはおかしいよ、似合わない。」とばっさり。
 たぶん、私は背が低いから、足元にドレッシーなものを持って来るとおかしいんだと思う。自分では、客観的になるよりも、ついついオブジェの美しさに引きずられてしまう部分を、あびがきっぱり言ってくれるので、なかなか頼りになる。
 結局そのシンプルなアンクルブーツを買い、この冬本当にいつも履いていた。

 それを最初に、あびはよく私の服のネット買いの手伝いをするようになった。私がセレクションしたなかから、最終的に迷ったりすると意見を述べることが多い。私は迷うのに、あの子はぱっと見て、「こっち!」と確信して言う。「どっちもだめ」のときもある。
 そしてついに、先日は、私が夏のワンピースを探して、とあるサイトの数百枚の服を片っ端から見ていたとき、私が選んでもいなかったもののなかから、「お母さんは案外この長さは似合うんだよ。腰のところもベルトで閉まってるし、首の開き具合もちょうどいいし、袖も、こういう手首のところがキュッとしているのは似合うよ。」と一枚選び出した。ほかにもいろいろ候補があったが、結局いろんな理由でやめにして、あびの選んだのを買った。
 届いて着てみたら、やっぱりすんなり似合う。

 試着する私のところへ二人が駆け寄って、「わあ!いいね。」「きれい!」と歓声を挙げる。二人で、「ベルトを結んであげるから!」などと世話を焼いてくれる。子どもたちは、お母さんがきれいなほうが好きなんだなーと思う瞬間。

 私も死ぬまで服は好きだと思うから、ずっと服の趣味も現役でいたいと思う。子どもたちから見て「おばさん風」という服は、着ないようにしている。子どもたちから学ぶことも、増えてくるなーという感じ。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する