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2020年04月01日17:01

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フランス外出禁止の日常〜我が家の食生活編

 3月16日から全国の学校が閉鎖。3月18日から、外出禁止。

 外出禁止の内容は、生きるのに今すぐ絶対に必要な用事以外での外出の禁止、ということで、なにをするにも、一瞬、これは今すぐ生きるのに必要か?と自問することになる。
 ああ、そろそろ髪を切りたいな〜と思っても、これは必要とはいえないな、となる。そもそも美容院が開いていない。
 郵便局に荷物が届いた、という連絡が来た。荷物の中身は折り畳み傘と本。どっちもなくても死なない。でも郵便局が空いていたから取りに行ってみたが、荷物が届いたという連絡はあったのに、なぜか郵便局では見つからなかった。郵便局は入場者制限をしていて、入り口の前にいつも列が出来ている。営業時間もいつもの半分くらい。人員数も、半数で交代制でやっているそうだ。

 今なくても死なない、すぐやらなくても死なないかどうか、というのを、日常的に考えるのって、物事の見方を大きく変える。私にとって、たとえば大の本好きで、「本がなくては生きていけない」などと言っても、結局それで外出して感染して重症化したりしたら、やっぱり外出しなければよかったと思うに違いない。
 なので、食料品の調達も、新鮮な季節の野菜と果物にかなりこだわる私だけど、あきらめてスーパーのものを買う。そもそもマルシェは開いていない。スーパーで買えるものでも、選べばそれなりに安く、状態のいいものが買える。
 パック入りで0.99€で売っているマッシュルームは、いつもたいてい真っ白でぴかぴかだ。軸のところも茶色くなってなくて、新鮮そう。アイスバーグというレタスも、あの独特のちりちりしたビニール袋の中で、かなりよく鮮度を保っている。サラダにも、炒め物にも、スープにも、手でちぎって使えて火の通りも速いから、時間や手間がかからない。全然季節じゃないけど、ナスやズッキーニがいつも安いのもスーパーの特徴だと思う。冬野菜に飽きてきているから、焼きナスのサラダとか、ズッキーニのスープとか、気分が変わっていい。ズッキーニってアク抜きもいらないし、洗うのも切るのも簡単で、調理が楽なのもいい。
 日によっては、安い果物の大パックが売っている。小さいりんごの1.5kgの袋、小さいみかんが20個くらい入っている大袋なんかが、モノプリで2〜3€で出ているときがある。あれも買い。みかんはややみずみずしさに欠けるけど、味は甘くて子どもも大好き。
 そういう、スーパーの便利な面を見て、楽しもうと思う。

 お米は、有機栽培の店で買えるイタリア玄米と決めていたのだけど、これもまた見直さなくてはならない。政府の出した指針は、「家から近い場所での買い物」。これは微妙な気がするが、実はそうでもなくて、うちから一番近いのは、うちの裏にあるモノプリなので、私がまず行くべきは、このモノプリということになる。でも、モノプリって少々高め。
 政府はもう一つ指針を出していて、「健康のための運動」などは、自宅から1km以内の場所で、1時間以内であれば許可されている。なので、運動を兼ねて、うちから1kmの範囲内のところなら、1時間以内で買い物することは可能、と考えるらしい。
 残念ながら、普段行っているリドルや、有機栽培の店はうちから1kmちょっとなので却下。当然ながら、パリの日本食材店なども問題外。モノプリよりちょっと安い、アンテールマルシェなるスーパーがうちから1km以内にある唯一のもう一軒のスーパーだ。しょうがないのでここへ行く。
 我が家のお米は、今外出禁止が解かれるまで、普通のスーパーで買える日本米とはまるで違うタイプの米になってしまう。卵欠けご飯や納豆ご飯みたいなお手軽朝ごはんが出来なくなるのは、ちょっと痛い。納豆作ったばっかりなのに・・・
 新しい発想が必要だなーと、食パンレシピや長米レシピ(これも品薄だけど)を研究中だ。おいしいパンのある国に住んでるんだから、パンで暮らせということでもあるかな。

 ともかく、食料品を中心に買い物をして、3食作って食べることがメインイベントみたいな生活。
 最初のうちは、スーパーのレジのところに、1mおきに床にテープが貼られ、列を作る人がくっつき過ぎないようになっているのと、レジを打つ人と買い物客の間にプレキシの板が置かれたことをのぞいて、それほど大きな変化は認められなかった。
 3月16日の前の週末から、スーパーの商品の一部が品薄になってはいた。以前から、イタリアなどの状況を知った人たちが一部買いだめしたことも原因だったかもしれないが、3月12日に政府が休校を発表したので、私たち主婦の反応は、「ああ、この週末は来週のお昼ご飯の材料買っとかなくちゃ」だったと思う。普段なら、学校がなければ学童に行けば給食があるし、祖父母宅やベビーシッターなら自分は仕事に出るから、自分のお昼ご飯は外食だったりする。ただ、どこへも預けられなければ、自分のも含めてやっぱり家での食料がいつもよりしっかり必要だ。パスタがなくなったのは、子どものお昼ご飯を考えたママたちが、いつもより多くパスタを買ったからではないか?と私は思った。(実際そうかも。私も、まだ一袋あるけど、子どもたちがいるなら、ともう一袋買ったから。)
 今は、スーパーの入り口で入場制限をしていて、レジを見るとがらがらでも、入り口には列が出来ている。

 それにしても、私がほとんど退屈みたいにして、普段出来ないいろんなことが出来ている間、スーパーや食品流通の人、農家の人たちは、がんばって仕事している。本当に必要な職業についている、という使命感があるだろうなあと思う。働かずして今食べさせてもらっている私は、全くありがたいことだと思う。
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