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2020年03月29日00:52

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熱帯雨林のジャングルの鳥たち

 iPhoneの目覚ましアラームの音に、私は鳥の鳴き声を選んでいた。iPhoneの鳥のさえずり音は、普通にぴーちくぱーちくいうような、かわいい小鳥のさえずりではなくて、熱帯雨林の鳥の鳴き声を思わせる。それでも、モンドールでのように鳥の声で目覚めると言うのは、不快感が少しでも和らぐような気がする。

 目覚ましが鳴ると、私は子どもたちを起こさないようにと大急ぎで止める癖がある。どんなに気をつけていても、藤吾さんは小さな物音を聞きつけて、「お母さんが起きている」と、何時であろうと起きてくる習性があるからだ。それをかれこれ10年もやっているので、目覚ましが鳴ると恐れおののいて大急ぎで止める。
 藤吾さんはどんなに寝不足になっても、私が起きてさえいれば眠りたくないという変な人だ。藤吾さんが寝不足になるのがいやで、藤吾さんが眠れている間は、忍者のごとく音を立てずに暮らす。

 去年の夏、4年ぶりの日本の実家への帰省で、驚いたことがある。うちの裏山の鳥の鳴き声が以前と違うのだ。前も確かに鳥の鳴き声はしていたと思うのに、今聞くとなんとも親しみのない、熱帯地方の鳥のような声がする。確かにウグイスだとか、山鳩も鳴いているんだけど、日本じゃないみたいな鳥の声もする。
 それが、夏の朝、3時くらいから始まる。しかも、その声、iPhoneの私の目覚ましアラームそっくりなのだ。なので、最初の鳥が目覚めて小さな声で鳴き始めたとたん、私はiPhoneを探して飛び起きた。私の脳にインプットされている「藤吾さんを起こすな!」プログラムが、作動してしまうのだ。誰も目を覚まさない程度の小さな音なのだけど、特徴的な熱帯雨林の鳥の声が耳に入ると、体が条件反射してしまう。しかも、「なんだ、ほんとの鳥じゃん。まだ3時だ。」と思っても、うとうとするたびにその熱帯鳥の声に敏感になっているから、どうしてもまた目が覚める。
 結局、一ヶ月近い滞在の間、ずっとその鳥の声に悩まされた。

 母に、昔と鳥の声が違うと言うと、母は「そう?上の畑が荒れて藪が近づいているから、鳥が近くに来るだけじゃない?」と言う。毎年聞いて、少しずつ変化するから気づかないのか、私の思い違いか?
 地球の温暖化で実家のあたりの年間の気温だって上がっているから、熱帯から熱帯の鳥が移住してきているってことはないのかなあ。
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