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2020年02月18日15:44

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51歳の誕生日ケーキ

 子どもたちは、冬休み中。休み前半は、私が仕事を抜けられなかったので、ガニー市のやっているマルチスポーツクラブに行ってもらっていた。
 仕事の帰りに直接マルチスポーツの集合場所の競技場控え室に子どもたちを迎えに行って帰る。アパートの建物の入り口に着いたとき、私が「明日の朝のバゲット買って来たい人!」というと、藤吾さんが「ぼく行く!」と小銭を持って駆けていった。
 うちに戻ってから、藤吾さんが「ねえ、お母さん、キャンディかって来ていい?」と言う。パン屋さんのレジの脇で、5円とか10円とかでキャンディをばら売りしている。今年度に入ってから、子どもたちはそこでよくキャンディを買っていることは知っていた。学校へ持っていってお友達と食べたりする。私がスーパーで買うものの中には、キャンディは全然入っていないから。
 だんだん際限なくなってきて、いくら一つ一つは安いといっても、月のお小遣いの半分くらいがキャンディに消えることもある。お小遣いを無計画に使って欲しくないので、先月、月額を決めてみようとか、スーパーと一個当たり値段を比べて見ようなどと提案して、二人ともスーパーの袋入りのキャンディとパン屋のばら売りキャンディの値段の違いに感心し、これからはスーパーで買う、と言っていた矢先のこと。
 「えー?なんで今キャンディが欲しいの?スーパーで買うんじゃないの?」と納得の行かない私。それを聞いてがっかりして、しつこく「でもいいじゃーん!ぼくのお金だよ!」とぎゃあぎゃあ言い出す。「だめって言っても行くよ!」などとも。それでも私が、ちゃんとなぜ今すぐにキャンディを買う必要があるのか説明できるまではだめ、と言ったので、藤吾さんは絶望して自室にこもった。
 何を言っているんだろう?なんか腹立つことでもあったかな?さっきまで機嫌よく私と並んで、今日あったことをいろいろしゃべりながら帰ってきて、何もなさそうだったけど。こっちこそ納得いかんわ、と思っていると、部屋から藤吾さんが呼んでいる。
 行ってみると、藤吾さんは布団に包まって半泣きになっていて、「ぼく、お母さんにケーキを買いたいんだよ!だからパン屋さんに行きたいのに。お母さんに内緒で。」と言った。

 そしてこれが、藤吾さんの買ってきたケーキ。でっかいチョコレートのホールだった。いつもはパン屋さんに行くのはあびで、藤吾さんはお使いに興味がないのに、今日はどうしたんだろうと思ったんだけど、あれはケーキの下見だったらしい。3000円くらいはしたと思うんだけど、自分のお小遣いから出した。
 「お花はお母さんが食べてね。ウエハースだよ。イチゴのケーキのほうが、お花はたくさん乗ってたんだけど、お店の人はチョコレートのがおいしいって。」
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