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2020年01月19日06:27

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事故

(あねへのメールのコピー)
 この前、目の前でおばあさんが轢かれたんよ。人が轢かれるのを初めて見ました。怖かった。
 うちのすぐ前の郵便局の駐車場を横切ろうとしたらしい、買い物用のキャディを持ったおばあさんが、私がうちを出て下に下りたときにはすでに地面に倒れていました。ただ転んだんか、その前にすでに車が当たったんかは見ていませんでした。通りかかった人が近くに2〜3人いたけど、誰も何が起きたか分かっていないふうでした。
 それから、おばあさんのすぐそばにいたワゴンがバックしました。ゆっくり、後ろを気をつけながら下がるところじゃったんじゃけど、おばあさんが倒れているので全然見えないんじゃろうよ、そのまま、私や、2〜3人の通りがかりの人の見ている前でおばあさんの両方の腿の辺りに乗り上げて乗り越えました。ワゴンは、ぐらんと揺れたけど、運転している人は、人の足だとは思わんじゃったろうよ。でも、おばあさんが、「あー!あー!あー!あー!」と規則正しく、ロボットのように悲鳴を上げ始めました。気味が悪いくらいに、感情のない、壊れた人形のような繰り返しの悲鳴でした。
 30代くらいの冴えない黒っぽい服を着た痩せたアラブ人の男性が、たぶん一番近いくらいのところにいて、その人が戸惑いながらおばあさんのほうへかがむようにしたところへ、悲鳴を聞いてあわてた運転手が、ワゴンをもう一回前進させたので、一度轢かれた腿の上を、もう一回ワゴンのタイヤがゆっくりと通りました。それが全部、スローモーションみたいにゆっくり起こったような気がしました。おばあさんはさらに悲鳴を上げ続けました。私は、いろいろなことが目の前でゆっくりと起こる中、動くことも出来ずに立っていました。
 私が最初に見たときのうつぶせの姿勢のまま、ただじっとして、機械のようなキーキー声を出し続けました。ワゴンの人が降りてきて、通りかかったおばさんたちが2〜3人集まって、救急車を呼んだようでした。その間、最初のアラブ人の男が、特に世話好きそうでも社交的でも何でもなさそうな人ですが、おばあさんのそばにしゃがんで、手をさすったりして元気付けているようでした。轢かれたのは白人のおばあさんで、たぶんそのアラブ人と、何の関係もない人と思います。そのアラブ人は、かわいそう!という気持ちに揺り動かされたのだと思います。
 あんなにゆっくり動く車に轢かれるなんて、と思うくらいでしたが、駐車場でみんな気をつけているのに、人って本当に轢かれるんだと初めて実感した。それ以来、道や駐車場で自分の近くの車が動くと、怖い気がします。
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