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2020年05月10日16:03

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.54

[63枚目]●ウィリー・ディクソン『アイ・アム・ザ・ブルース』<ソニー/コロムビア/レガシー>(69/93)


シカゴ・ブルースの立役者の一人、ウィリー・ディクソンのセルフ・カバー盤。私が持っているリイシューCDは、<ルーツン・ブルース・シリーズ>の<コンテンポラリー・ブルース・マスターズ>の一枚。マディ物が3曲、ウルフが4曲、オーティス・ラッシュ1曲、ジョニー・リヴァース1曲の構成である。いくら自分の作品とは言え、迫力が売り物のマディやウルフ、情念の人オーティス・ラッシュなど、「圧が強いブルースマン」が最終的に完成させ多くのブルース・ファンに膾炙している曲群である。難しい取り組みのようにも思えるが、杞憂である事をアッサリと証明している。曲が主体というより、ウィリー・ディクソンというブルースマンの魅力が生かされている一枚となっている。優れたコンポーザーでプロデューサーでもあるウィリーは、自分自身も見事にプロデュースしているのだ。バンドは「シカゴ・オールスターズ」。長年の相棒、ピアノのメンフィス・スリムの他、ギターがジョニー・シャインズ、ハープがウォルター・"シェイキー"・ホートン、ドラムがクリフトン・ジェイムス。ベースの他、ヴォーカルもウィリーだ。

ウィリー・ディクソンは、1915年、ミシシッピ州ヴィックスバーグ(ジャクソンから真西に65)生まれ。37年、プロボクサーとしてイリノイ州のチャンピオンに輝いたのを機にシカゴ暮らしの身となる。ミュージシャンに転向し、ザ・ビッグ・スリー・トリオを結成(最初のシングルはロゼッタ・ハワードの伴奏で47年)。51年のトリオ解散後に<チェス>レコードで働き、54年「フーチー・クーチー・マン」のヒットで名を上げる。56年には<コブラ>最初のシングル「アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー」をヒットさせている。ミュージシャンとしては、本盤以前のアルバムは、58年から<ヴァーヴ><フォークウェイズ>などから、メンフィス・スリムやピート・シーガーとの録音がある。本盤以後にもアルバムは編集盤も含め、積極的にリリースされている。84年にはブルース界全体の振興を目指し、<ブルース・ヘヴン・ファウンデーション >を設立。92年に亡くなるが、93年には遺族が<チェス>レコードの建物を買い取り、同ファウンデーションの本部としている。

ウルフの「バック・ドア・マン」でスタート。ウルフほどの浪花節声ではないが、ナチュラルな塩辛声はそこそこの迫力がある。盤全体に言えるが、ジョニー・シャインズのギターは、ゆったりめのスライド中心。ビッグ・ウォルターのハープも漂うような味わいを醸す事が多い。サウンドを締めているのはタイトなドラムと、ウィリー本人のベース、それにメンフィス・スリムのピアノのクッキリとした連弾も際立っている。ピアノのフィーチャー度が高いと、粋な感じの演出にも繋がるのではないだろうか。ザ・ビッグ・スリー・トリオのリズム&ブルース/ジャンプ・ブルース感覚を想起もする。「アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー」も本家のようなディープさより、バンドトータルとしてのサウンドの心地良さが味となっている。「ザ・セヴンス・サン」「アイ・エイント・スーパースティシャス」(本家よりテンポアップ)と乗りの良い曲では、特にそういったバンドサウンドが充実した盛り上がりを見せ、思わず拍子を取ってしまう。もちろん「スプーンフル」「ユー・シュック・ミー」「ザ・リトル・レッド・ルースター」「ザ・セイム・シング」のようなミディアム〜スロー・テンポでもサウンドは冴えている。「アイム・ユア・フーチー・クーチー・マン」は、マディの暑苦しさから離れ、快適なブルースに仕上げている。

Back door man



I can't quit you, baby



The Seventh Son



Spoonful



I Ain't Superstitious



You Shook Me



I'm Your Hoochie Coochie Man



The Little Red Rooster



The Same Thing


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