ソロモン・バークの68年作『アイ・ウィッシュ・アイ・ニュウ』。同じ年には『キング・ソロモン』もリリースされている。さらにこの年には、アーサー・コンレイ、ドン・コヴェイ、ベン・E・キング、ジョー・テックスとソウル・クランを結成するなど、ソロモン充実の一年と言えるだろう。前記2作に共通するのは<アメリカン・スタジオ>作品である事。従って、総括的には良質の「カントリー・ソウル」感覚に溢れている。ただ、それだけでは説明できないひと回り大きいソロモン王の世界が堪能できる。
時代的にも68年は激動の年。キング牧師とロバート・ケネディが暗殺された年だ。さらに時計を戻すと、63年ケネディ大統領暗殺、67年デトロイト暴動(やがて各所に飛び火)と暗雲漂う状況だ。本作も『キング・ソロモン』もプロテスト・ソング的なニュアンスを持った作品も含まれているようだ(明確に説明できないけど)。
ソロモン・バークでまず連想するのは声量豊かで男らしい温かみのある歌声だが、時に熱量たっぷりの噛みつくようなシャウトがいかにも60年代ソウルの権化らしい。本盤はカバー曲中心だが、特にリー・ドーシー「ゲット・アウト・オブ・マイ・ライフ・ウーマン」とレイ・チャールズ「ホワッド・アイ・セイ」のカバーは圧巻!オリジナルの何倍もスケールがデカイ!(だからコッチが良いという訳じゃなくそれがソロモンの持ち味だ)
バック陣の安定感は言うまでもないだろう。特に、躍動感あるベースが印象に残った。また、曲のピークでのホーンのキレや、クワイヤーばりの迫力を瞬間ながら聴かせる女性コーラスなど聴きどころはたくさんある。
I WISH I KNEW
Get Out Of My Life Woman
Meet me in church
BY THE TIME I GET TO PHOENIX
Then You Can Tell Me Goodbye
What'd I Say
Since I Met You Baby
Save It
Shame on Me
Why Why Why
ログインしてコメントを確認・投稿する