〜 意気地なし 〜それは自分の事「スプラッシュマウンテンで決めポーズしよう!」ほんとうは怖がりなのに虚勢を張って言ってしまった『はい』君は あっさりと そしてごく冷静に承諾する「へぇー 君って絶叫系好きなんだ」言いだしてしまった手前 怖気ずくこと
〜 トゥモローランド 〜夏休み期間の まだ宵の口で大勢の人が行きかう中このエリアには 不思議と人っ子一人いなかった「ねえ もし タイムマシンのドライブに誘われて未来か過去のどっちに行く?って突然訊かれたら君は どっちに行きたいって応える?」未来の
〜 東の空と西の空 〜梅雨明け10日っていってくわー って暑くなるはずなんだけど今年の梅雨明けって なんていうかその くわー ってのが無くて今日なんかは僕の頭上で 梅雨と夏が まだ せめぎあいしてる
〜 プロローグ 〜『私 夢の国に落としものしてきたい』駅を出てほどなく現実と夢の国の境にさしかかり宵の心地よい浜風を感じながら君はそうつぶやいた「いいね」僕は 意味を訊くことなどなくなんとなく そう返事をして和やかな 君の横顔を見つめた
〜 踊る 〜楽しくて 嬉しくて気持ちが高揚するとハミングしてみたりステップを踏んだり体を躍らせたくなってしまうのは人も昆虫も同じみたいです
〜 妄想と現実の狭間で 〜『ねえ 少し休ませていただいてもよろしくて?』そう言いながら彼女は僕の目の前に舞い降りた日曜日の昼下がり 玄関の前の駐車スペースで祭りの用具を洗っていると 突然クロアゲハが現れ ひらひらと僕の周りを旋回し始めたホースの水
〜 淡い橙色の幻想 〜盆踊りの提灯の淡い橙色に染められた白い花が踊っていた「楽しいですか?」と訊くと『楽しいわ 年に一度ですもの』と返す昼間の白から宵の橙色に変わるなんてなんて色っぽいのだろうと想っていると覚えのある香りが僕の顔ををかすめた白
〜 この雰囲気が好きでたまらない 〜午前11時今居る部屋の今この時間はマイコンサートホール昨夜までのぐずぐずした雨模様がようやく去り 陽が差し始めたさっそく 南側の窓 東側のバルコニーに通じるガラス扉 北側の扉を全開にした廊下の先の階段の明かり取
〜 焦点距離4m 〜いきなり 頭に ゴツっと衝撃を感じた感覚的には スポーツをしていて いきなりふくらはぎをたたかれたと言うような 肉離れに似ているいったい何が起きたのかと一瞬 考え始めると ほぼ同時に頭に痛みが走った盆踊り大会のイベントスイカ割り
〜 憧れの修羅道 〜住む世界には天道 人道 修羅道 畜生道 餓鬼道 地獄道の六道があるそして皆無限に生死を繰り返して 六道を廻る『なにやってんの?おじちゃん』「我慢してんだよ」『がまんってなぁーに?』「我慢っつうのは もうすぐやって来るいい事を じっ
〜 無意識の憧れ 〜阿修羅は悪鬼神と言われるけどもともとは天界にいた正義の神でも正義に固執し続け善心を見失い妄執の悪となってしまった学生の頃日本の美術の解説本を貪るように見ていて阿修羅像に出逢い心に衝撃を覚えた悪鬼神なのにどう見ても顔や風貌か
〜 僕にとっては 得てして良い意味 〜大型スーパーで4個520円の王林を買い物かごに入れ何気なく海鮮コーナーに寄り道刺身コーナーの巨大な冷蔵ワゴンに並ぶ魚介類を体は正面 頭は右斜め下45度に傾けゆっくりと歩いた全長10mのワゴンの中ほどの地点に
〜 じつに美しい 〜リンゴのふじの様な霜降り加減が既に見た目で美味さを予感させた皮をナイフで剥いていると刃の進み方や押さえる指の滑り方が桃に似ていると感じたそして妄想が始まったマンゴーと桃が姉妹ならドラゴンフルーツとキウイは兄弟かなんて桃の様
〜 高1の或る日 旅行番組を見ていて 大変衝撃を受けた事 〜僕は15歳まであの函館山から見る超綺麗な夜景は地図でみる 北海道の南西部のくびれている場所の夜景なんだと素で想って 感心していた幸いな事に その勘違いを中学3年に至るまで小中学校のクラスの
〜VS ハシビロコウ 〜それは4年前の八月も夏休みも否応なしに終わる晦日の事だった肌に日差しが刺すように照りつける中彼と僕のにらめっこしましょあっぷっぷの30分1本勝負が始まったあっぷっぷに挑む前は 楽勝と思っていた動物は絶対に先に目をそらす
〜 僕のプレミアムな10人の仲間 〜今日 初めて 10名に召集をかけた彼氏もいれば 子供もいるし 孫もいるそんな 歳も性別も違う男女11人がもう 7、8年近く 夜を徹して活動した銀行やカジノに忍び込んだわけではない温泉 お城 水族館 名勝地 ととにかく徹夜で弾
〜 瞬間芸 〜ボクねぇー変身しちゃうから見ててうん でもね 無理しなくていいからね全然平気じゃあ やるようんモップ!うっ! 面白可愛い!えへへ〜
〜 18歳選挙権 〜投票所入り口から臆する事無く胸を張って受付に歩み寄る君達は係員の説明を顔を背ける事無く真剣に聞き声を出して返事をする君達は友人と一緒に 家族と一緒に そして一人で人生初の選挙に臨む君達は自分が遠い昔に置いて来てしまった初々し
〜 愛に恋 〜ぼわっとした白い水着姿の君が すっと宙に浮いたかと思うと 音が聴こえない位に静かに水面から水中に消えた灯りが点いていない そして誰もいない薄暗い室内プールでただ一ヵ所ひと際明るい監視員室にいた君は プールサイドの反対側にシャワー室か
〜 一年に一度の逢瀬 〜一年間心に秘めていた色々な気持ちが溢れ出てくるのをぐっと抑えて平常心を装い笑顔で再会久々に逢えた嬉しさと明日にはさよならしなければならないせつなさが波のように交互に心を濡らす一日そんな二人が羨ましい一年待てば必ず逢える
〜 出産 〜彼女が 我家の扶養家族になって早20年彼女が 出産するようになって早3年彼女が もじもじし始めて早10分僕は 彼女の出産に立ち会う事が出来た
〜 イカせんべい 〜よく境内の屋台でビローンとぺっちゃんこにする のしいか風 ではありませんふわっとしたお煎餅ですが イカの風味がたまりません
〜 同じお気に入りが齎すもの 〜『ネット通販でなくても 実際 店舗にあるかもしれません』と彼女がとっておきの情報を僕に教えてくれたへぇーそうなんだと 幾つものSWもののプリント柄Tシャツをスマホの画面で見せてもらったそうだ 結構近くにあったっけと