〜 魚と話す 〜『ひゃー こんにちは お会いできて嬉しいです』「大っきいねえ君 畳くらいありそうだね」『えへー いっぱい食べてるからね』『にらめっこしましょ あっぷぷう・・・』「・・・ぷっ わはは 負けた」『えへー 強いでしょう』「うん 誰
〜 好きになってしまった 〜八分咲きのサクラの下でお尻一つ分のスペースでシートを広げお茶を飲むふと幹に目をやると赤ちゃんみたいなサクラの芽がへばりついてるとても可愛らしいさらに太い枝の下に目を移すと保育園の年少さんみたいな小さい枝から精一杯
〜 海月 〜学術的名称や生息詳細説明のパネルを読むのも忘れひたすら見入ってしまうだから未だに僕的海月のイメージは大雑把種別名称は・・綺麗な海月繊細な海月元祖海月ああ海月生息域は・・海行動特性は・・逆さを気にしない血が無いので長時間逆さでも貧
〜 烏帽子岩が見える水族館 〜小さい時から水族館が大好きだ昔の江ノ島水族館の記憶は小舟に乗った犬をイルカが引っ張る風景アシカがカラーボールの上に乗ってお辞儀をする風景水面から10ⅿ位の高さに吊るされたくす玉をイルカが大ジャンプして尾び
〜 愛着 〜江ノ電に対する僕の想いを言葉にすると沿線に住んでいた子供の頃も大人になった今もそれは愛着現役を引退した枕木で作られた線路沿いの柵藤沢駅のホームとホームの間にすうっと入って来て車両止めの前でピッタリ止める運転士さんの顔定期的にメン
〜 Dangerous and Moving 〜放課後教室勝手にライブで一番魂が入った曲イントロは音桶さんのキーボードで高まる動悸を押さえるように始まりたたみかけるようにはやちゃんのドラムが想いを爆発させそして歌う二人とも それぞれ教室に居
〜 おもわず ほっこり 〜江ノ島駅で下車する藤沢から鎌倉方面に向かっていたのでホームから線路を渡って改札口に向かう昔からちっとも変わらない涙腺の涙袋が溢れそうになる単線なのですれ違い駅が必要な訳で昔住んでいた家の近くの鵠沼駅もそうだった今は
〜 駅弁 〜旅で早朝から列車に乗る時は車内で必ず駅弁を食べる車窓に流れる景色を眺めながらその日の訪問地に思いを馳せながら非日常の幕開けを楽しむ旅先での列車移動の時のお昼はご当地弁当自宅から出発する日の駅弁は幕の内弁当今回は 春がテーマの幕の
〜 はじまり 〜一か月前くらいに心の奥に何かがすっと入って来たそれが 冒険心なのか 衝撃の出逢いを期待してなのか新しい発見を求めてなのか郷愁の想いなのか たんなる旅心なのかもやもやし始めてべつに確かめようと想ったわけではなくただ心が望むまま
〜 未来への帰り道 〜この喫茶店の周辺には創業何十年の老舗が沢山あって大通り沿いには一区画ごと建てられた近代的な商業ビルの中に新しく生まれ変わった老舗も多いそんな賑やかな大通りから一本入ると築何十年の雑居ビルや木造一軒家が混然と並んだ昭和初
〜 魔法のポケット 〜看護士さんのポケットはベッドで手当てを受ける患者にとってどらえもんみたく意外なものがぱっと出てきて電気工事の技師みたく色々な道具がささっていて頼もしかったし道具を出す仕草がカッコよかった胸ポケットからの登場はちょっと
朝目覚めたら 鼻が痛くて鏡を見たら てっぺんが赤くて鼻全体が おもちゃの付け鼻みたいでうーっむめんちょなんて いつ以来だろう中学生のころかなぁ・・
〜 憧れの投影 〜カラオケといっしょにギターを弾いてみたプロのストリングス演奏付きなのだから気分は最高僕はギターを弾くだけで君は歌を唄うだけ気分は最高言葉にならない想いを感じると同時に言葉にしてはならない想いも感じた言葉にして全てが終わって
〜 不思議なシグナル 〜夏休みの午前中蝉の声が聴こえてきて早く外に出て遊びたいというごく自然な欲求と円形の一日スケジュールの青色で塗られた9時から11時までのあまりに無謀で自業自得の計画だった宿題ゾーンとが小学生にはあまりに酷な戦いをしてい
〜 懐かしい匂い 〜杭に眉間をぶつけて血だらけで帰っても目に砂団子が当たって瞼を真っ赤に腫らして帰っても突き指をして親指の付け根が膨れて帰っても母はいつも驚くことなく『あらあら 痛かったでしょう』と言いながら優しく手当てをしてくれたそう母は
〜 いつか叶えられる 〜子供の頃翼があれば自由に大空を飛べるのにそう憧れた宇宙船があれば月と金星に行けるのにそう願った大人の今翼も宇宙船も欲しいとは思わない願えばきっと叶えられるという気持ちだけで充分だと想うようになれたから
〜 静寂 〜お昼前の一時間医師や看護士やスタッフの人の気配がなくなってそして入院患者の気配もなくなって朝から慌ただしかったフロアに静寂が訪れる朝六時の起床から看護士の検温と血圧測定と問診入院患者の朝の身支度担当医の回診朝食スタッフの清掃准看
〜 子供と大人の違い 〜外に出てこれは寒い!っと思ったら足元に霜柱なんだかとっても懐かしい子供の時の自分だったら直ぐにズックでザクザクと後さき考えずに踏み潰してズックの底がかさ上げされてわーい と喜ぶのもつかの間霜柱が溶けてどろどろになって
〜 t.A.T.u 〜高二の時のクラスで いつも寄り添っている二人の女子がいた休み時間や放課後男子がプロレスや芸能人のものまねで騒がしくしている中でも何をするという訳でもなくなんとなく教室にいる二人はとても気になっていた「今日はタトゥのノッ
〜 ハッ と ドキッ 〜澄んだ秋の夜空にくっきりと輝く月は凛として微笑んでいる女性のようで眺めるのが憚られるほどハッ とする薄曇りの春の夜空でぼんやりとした明かりの月はレースのカーテンの向こうに佇む女性のようで僕の理性が崩れそうなほどドキッ
〜 大好きな尚子ちゃん 〜キンコーン♪ カンコーン♬《きりーっつ 礼っ 先生 さようならあしたの 日直は 曳田くんと岩崎さんです》学級委員の春日さんはそう言って黒板にボクの名前を書いた「えーっ! ボクっ? きょうははやく帰りたいなぁー
〜 波乱万丈 〜嘔吐と同時に体が重くなってこれは重い風邪だろう自己診断して腹が痛いにも係らず治すのは薬を飲んで安静するのが一番と市販の風邪薬を飲んだけど39度の熱に襲われてそれでも熱と痛みに二日間耐えて三日目になってこれはインフルエンザかも
〜 楽しみ 〜点滴だけの絶食の日々は意外とお腹が空かなくてでも水さえ飲めないのが辛いどうしても我慢できない時は洗面所の蛇口をひねって口を漱ぐジョーと闘うために減量に苦しんだ力石徹の辛さを実感する術後何日目かでようやく食べ物を口にするお茶 三
〜 光が導く先は 〜リビングからキッチンをかすりトイレもかすり光が指すその先はバスルームうーむ何かの御告げかな元旦の大吉の御神籤を読み直す『すべて心のまゝになるでしょう』そうかなんとなくわかったなんでもない光でもありがたいお導きと想うような
〜 前々から想っていた事 〜苺は宇宙からの贈り物・・・に違いないつるぴかの表面幾何学的配列の紋様赤い実 黄緑のへた 緑の葉っぱ 白と黄色の花どれをとってもあまりに絵画的というか抽象的というか人工的というかついでに細い枝みたのにぶらんとぶらさ
〜 復活 〜冷たい空気の朝久しぶりにコートを来て駅に向かう夜中の雨と風で澄みきった空を見上げて思わず『今日の空♬ 宇宙までつきぬけそう♪』と口ずさむ今日から僕の日常が再開した