mixiユーザー(id:40224526)

2020年09月21日23:54

19 view

妄想物語

〜お呼ばれと言う名の面接〜

リムジンはアパートの敷地を出てから今大井町駅前を横切る

僕は小声でりかちゃんに確認しなければならないので小声で話しかける
状況によっては僕の妹だと嘘をつきとおさなければならないかもしれない

「りかちゃんさあ なんでこの車に乗ってたの?」

りかちゃんはソファの向かいにあるカウンターのジュースを見つめて
返事をする気配がない

《お嬢ちゃん そのジュース飲んでもいいんだよ》

天井のスピーカーから運転手さんらしき人の声がした
運転席の後ろを見れるモニターで運転手さんがりかちゃんの目線に
気が付いたらしい
僕が運転席背中のモニターカメラを確認している間にりかちゃんは
もうジュースを手にしている

リムジンはゼームス坂を下って国道を左に曲がった

僕は確認したい幾つかの項目の順番を変えた
妹なんていないし りかちゃんとはアパートの前で縄跳びで一緒に
遊んだくらいで 小4の女の子の気持ちが読めるわけがない

「姉ちゃんはこのこと知ってるの?」

『お姉ちゃんは しおい兄ちゃんが学校でしたはずかしい事
いっぱい教えてくれた』

「りかちゃん そこにチョコレートもあるよ」

なんか急に高級ソファの座り心地が悪くなってきた
もう今日は帰るまで妹で通すしかないかな

リムジンは国道と山の手通りとの交差点を左に曲がった

「これから何処に行くか知ってる?」

これは訊かないわけにはいかない
知らなきゃ車に乗るはずないし なんか訳があるにきまってる

『この間 しおい兄ちゃんのおみまいに来たお姫様みたいな
お姉さんの家でしょ』

「なんで知ってんの?」

『この車から降りてきて アパートの前でゴム段しているあたしたち
を止まって見て そのあとエレベーターホールに行ったから追いかけて
エレベーターの前であたしにしおい兄ちゃんの家きいてきたから
きっとお兄ちゃんのガールフレンドかとそん時思って きょう
またあの車が止まってたから来てみたらお姫様のお姉さんはいなくて
そしたら運転手さんがしおい兄ちゃんがお姫様のお姉さんの家に行くって
言ってたから』

リムジンは五反田を横目に過ぎて高速道路との交差点に差し掛かると
高架下の道路を白金方面に曲がった

「今日はそのお姉さんの家でご家族とランチにお呼ばれしてるんだ」

『しってるよ 運転手さんにきいたし だから妹ですって言って乗ったの』

「ふーん じゃあさあ 今日はずっと妹のりかで通すからね それとね
凄いお屋敷らしいから身なりも気をつけなきゃいけないんだ」

『しおい兄ちゃん いつもといっしょだけど』

「えっ? そう?おかしいな新品なんだけど
それよりさあ りかちゃんアパートの前でお友達とずっと遊んでたでしょ?」

『うん』

「じゃあ パンツとシャツ着替えてきた?」

『さいてー』
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する