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2020年06月05日22:56

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妄想物語

〜夢の国〜

頭にインプットされた分刻みのスケジュール
移動の間の超レアな園内秘密のお話
すいている穴場トイレへのエスコート
ガッツり食べたいとか 小腹がすいたとか
僕と姉姫の自由奔放な要求に即プレゼン
妹姫って本当はこっちの次元の人じゃないかと思う

『ねえねえ 少し休みません?』

姉姫の提案に妹姫が頷きながら答える

『そうですね ではお城で…』

ん?お城って確かアトラクションでは?

「えーっと 有賀さん‥じゃなくて妹姫」

『有賀で構いません』

「じゃあ有賀さん 確かお城って ぐるぐるめぐって
最後にドラゴンを退治するとご褒美がもらえるアトラクション
じゃあなかったっけ?少なくとも休める場所じゃないと
思うんだけど」

『汐ゐさんは昔の城内冒険ツアーをよくご存じですね』

「知ってるも何も 何人かとドラゴンを退治した後 キャストの
お姉さんが《一番頑張った人は誰かなあ?》って言って
手を挙げたうちのひとりにキラキラグッズが貰えるやつで
でも僕は年がいってたからついぞ貰えなかった‥」

姉姫と有賀さんが笑っている

『じゃあ 今こそ その時のトラウマを払拭しに行きましょう!』

姉姫が高らかに言う

「どこに…」

何かひっかかるものがあり僕は姉姫に訊いた

『お城です』

姉姫ではなく有賀さんが微笑みながら答える

「トラウマを払拭って いったい何をしに?」

なんか初めての絶叫系アトラクションに並んでいるような
胸の痛みを覚えて再び訊いた

『ドラゴンを退治しに…』

有賀さんの答えを半分まで聞いたところで
〈絶対に彼女たちのお母様であるあの女王がいるに違いない‥〉
と直感して僕はくるりとお城と反対の空飛ぶ小象さんの
アトラクションの方に体を捻り歩き出した

目の前にスペードとクローバーのトランプ兵二人が
槍を持って僕の前に立ちはだかった…

僕はヤバい!とまた振り返り 姉姫と有賀さんの間をすり抜け
お城の小川沿いに園庭までダッシュした

園庭中央辺りにある人気キャラクターモニュメントまで来て
膝に両手をつき一息入れた

《逃げるのか?》

背後のお城の方から女性の でも低いようで高い迫力のある
声がして振り向いた

そこには お城の前にある二つのサイロみたいな塔を
両前足で握り 背中の透けた黒い翼を広げ 口から炎を
ちろちろ出している 漆黒の大きなドラゴンがいた…
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