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2020年03月13日23:32

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妄想探偵社

〜祇園〜

『先生 これ美味しいですね 何が入ってるんだろう…』

藍尾君がお好み焼きの縁を箸で少し持ち上げて
中を覗き込んでいる

「あのね 覗き込まなくたって 食べればわかるんじゃない?」

『あははは そっかぁ』

天然満開

『あのぉ…』

「なに?」

伴尾君が遠慮がちに言い出す

『テーブルにオンリーワンメニューの具材説明が…』

「おーほんとだ こんだけ入ってりゃ旨いのも当たり前…」

僕がメニューを取って藍尾君に見せようと差し出すと
彼女はラムネの瓶の中のビー玉をじっと見ている
展開が早い

『先生』

藍尾君がラムネの瓶を振ってカラカラとビー玉を揺らす
音をたてながら言う

『このビー玉ってどうやって瓶の中に入れたんですかね?』

訊かれたくない難問が直球で来た

「それはね 神社の狐が口の中に玉を咥えているのといっしょさ」

僕は藍尾君が なんだかわかんないけど《ふーん》と言うのを
期待して てきとーな例えを言った

『ふーん』

期待を裏切らないリアクションだ

『先生 お言葉ですが ちょっと違うような気がします』

伴尾君が想定外の質問を投げかけてきた

『京都の人は大阪の人より粉もんを消費する っていう
驚愕の事実に匹敵するのでは?』

僕の例えより更に遠ざかっている気がする…

『ふーん』

藍尾君が《ふーん》と言うとともに頭の中で
《粉もん》という言葉を《こなモン》とういう言葉に変換して
クマのキャラクターあたりを想像している

「そんなことよりビールとラムネお代わりしよっか?」

僕も展開は早い

『『わーい!』』

藍尾君と伴尾君の同意も早い

………

人形やマネキンに擬態してじっとしている異次元のもの達が
テレパシーでやり取りを始め そのうちの牛若丸の意見に
皆が同意した

《この人達 ほっといても我々の次元に影響を及ぼす事は
まずなさそうですね…》
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