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2020年02月29日00:19

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妄想探偵社

〜祇園〜

タクシーから見る京都市内の景色は電車で移動の
それとはまた違った趣がある

南禅寺から東大路通に出て八坂神社の前までは
徒歩で移動しながら観光するグループが多く
その人たちは皆笑顔で歩いている

平安神宮 南禅寺 知恩院 丸山公園 他多くの
観光場所から人があふれ出してきて 皆概ね
八坂神社方面に向かっている感じだ

「これから先の祇園一帯は人でいっぱいだよ
花見小路通は無理だからメインの四条通を通って
裏の末吉町通と新橋通辺りをゆっくり周るかい
辰巳大明神や翼橋なんて車からさっと眺めるのも
いいもんだよ」

タクシーの運転手さんが京都弁ではなくむしろ東京
と同じ口調なのは東京出身のおじさんだから?
なんて京都の人は皆京都弁というガチガチの想いを
抱いていた私は運転手さんが女性だったら…と
妄想に走り出す

『お任せします 最後に祇園の前で降ろしてください』

後部座席で両サイドに伴尾君と藍尾君に挟まれ
景色というより男性運転手の説明女性運転手の京都弁に
自動妄想翻訳していた私は藍尾君の言葉で我に帰った

「はい じゃああの花見小路通の大きな看板がある入口
辺りで」

タクシーは看板のある交差点を少し過ぎたアーケードの
脇にとまり運転手さんが言った

「はい 千‥」

『‥二百円きっかりです おじさんありがとう
とても楽しかったです ねっ伴尾さん』

「えっ!? あっ どうも…」

藍尾君の間髪入れない料金設定とお礼の言葉と伴尾君の
会心の微笑みに タクシーのおじさんは条件反射的に
千二百円を受け取った
三人を降ろして祇園四条駅前の南座横で信号待ちになった時
運転手さんは呟いた

「ん!?ついさっきまで南禅寺車寄せで休憩してたような…」
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