〜南禅寺〜
まだ
妄想探偵社京都慰安旅行は二日目だけど
初日から弾丸スケジュールで何か所も廻ると
もう
何日も滞在して京都通になっているような感覚になる
ましてや
人もまばらで静寂に包まれた境内にいると
古にタイムスリップした感覚におそわれる
『でっけえかな でっけえかなあ〜』
欄干に片足をかけて市街を見下ろしながら藍尾君が言うセリフは
池ポチャ前進二打
『あのぉー
スケールの大きい雰囲気はよく出てると思いますけど
このセリフが石川五右衛門のそれだとしたら
絶世かなあ 絶世かなあ〜 じゃないでしょうか?』
同じように欄干に片足をかけながら伴尾君が訂正するセリフは
グリーン手前バンカーの駆け上がり下
少し離れたところで欄干に両手をついて遠くを眺めている
自分探しの一人旅風の若い女性の口元が緩んだ
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