妄想物語

〜夢の国〜

『ほんとうに久しぶり
やっぱりこの国が一番
ねえ一緒にお散歩しません？』

姉姫のお誘いは身に余る光栄なんだけど
なんてたって姉姫妹姫の母上様って言うか
この国の絶対的な女王様に目つけられちゃってるから
まず無理な話だ

「ありがとう
でも見つかった時点で即犬になってしまうのもなあ‥」

『大丈夫です
その時は私が魔法を解きますから』

妹姫の言葉は心強いけど
それって犬になる事が避けられない確定的な発言っぽい

「ありがとう
でも女王の魔法ってすっごい力を持ってそうだし
娘の魔法で対抗できるのかなあ‥」

うっ　まずい　プライド傷つけたかな
妹姫の背後にドラゴンのオーラが見え隠れする

「あっ　ごめん　敵わないとかいう事じゃなくてね
そのなんていうか　魔法の世界の事は　現実世界の僕が
なーんも判んないで言っちゃった」

これはフォローが必要だ

「ね　ねえ姉姫？
女王様とは血がつながっているんだから
娘が親の魔法を解くなんて簡単だよね？」

『無理だと思います』

わあー　誘った人そっけなあーい

「い　妹姫ならずっとこの国で一緒に暮らしていた訳だから
女王様の魔法を解いた経験なんか山ほどあるでしょ？」

『一度もありません』

わあー　犬に変身　決定えー