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2019年12月12日23:17

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妄想探偵社

〜渡月橋〜

《あ〜っ!?百合谷さんだぁ》
《やはり このタイミングでしたね》
《そうだね
それにしてもこの娘の潜在能力は並大抵ではないみたいだね》
《そうですね》

もう何が何で誰が誰だか判らない
まるで全員が匿名でLINEをしているか
ボイスチェンジャーで話し合っているみたいだ
声の高低や質もいっしょだし

でも最初のって 明らかに藍尾君の口調じゃないかな?
ひょっとこさん達のテレパシー網に迷い込んじゃったのかな?

《いいえ 彼女は本人の意思とは関係なく
ごく自然に私たちのテレパシーに参加してるというか発信してます
この現象は伏見稲荷大社辺りで既に感じてました》

ん?僕もテレパシーに参加してんの?
今応えてくれたのは江成さんだよね

《テレパシーは精神や思いの感応です
つまりこの世界と違って 空気で伝わる音声とか具現化した文字とかでも無く
形のない思考の通信ですから 受信した者が事前に知っている発信者の性格を
頭の中で色付けしているのです
先生は私達の性格など知る由もないので 全員同じ声に聴こえているのです》

試しに僕は 意図的に思いを飛ばしてみた
<でも微妙に違いがあって 何となくわかってきたけど‥>

ひょっとこさん達とのテレパシー談議が盛り上がっている最中
目の前に現れたもう一艘の舳先に居る百合谷姉と修羅が突然
テレパシーに入り込んで来た

《私達 遠くの方から劇的な登場を仕掛けて来て
もう目の前にいるんですけれども…
しかも気づいたのはこの世界の女の子だけだし…
これって サイレントトリートメントですか?》

《ばれた?》

今のはひょっとこさんかな
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