〜 2 〜
まだ誰もいない劇場に一番で入場した
物音ひとつせず静まり返り
絨毯の床と座席の独特の匂いが微かに漂う
僕は早この雰囲気に酔っている
小さい子を連れた家族が
ママ友同士の母子連れが
おじいちゃんと孫娘が
みんな期待を胸に笑顔で入場して来る
僕は早くも胸に込み上げてくるものを感じる
《大丈夫なの? 死んじゃうの?》
と心配する小さい子の声
《あははははは もう》
キャラクターのコミカルな仕草に
あちらこちらで同時に楽しそうな笑い声
僕は小さい子の感情を表す声に涙腺が緩む
そして主人公の歌に涙腺が壊れる
僕は昔から映画を見るときはこんな感じ
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