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2019年02月17日23:11

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妄想物語

〜願い事ひとつだけ〜

《美しいものにはトゲがあると聞きます…》
…あのコアの中に入りましょう》

妹姫の矛盾しているけど何か自信ありげな言葉に
躊躇という選択肢はなかった

喫茶店の地下の基地からMOSO号で妹姫と
東京湾深海冒険をしようと出航してすぐ
観音崎手前の犬島の海面から光も届かない海底で
一ヵ所だけ光輝く円盤状のコアに遭遇した

犬島は昔の海の要塞
現代では観光スポットとして若者の間で人気があって
でも夜は強制的に無人島になるというギャップに
僕はミステリーというより何か巨大な組織の力みたいな
現実的なものが見え隠れしている様に思っていただけに
犬島付近の暗い海底に光輝く円を目の当たりにした時は
やっぱりと言った感じで驚きはしなかった

「あの光っているクラゲの触覚みたいなのが放たれている
鏡みたいに見える面てあの上にまた別のエリアがありそうだね」

僕はMOSO号を垂直に浮上させた
浮上するというよりコアに吸い込まれていくような感覚
ゆっくりと確実に浮上してそして面を突き抜けると
沢山の淡く光る球体が漂う宇宙空間に出た
明らかに深海の中の浮遊感とは違う無重力の世界だ

『ここは幾つもの異次元の集合エリアです』

さっきの妹姫の自信ありげな言葉はこのエリアの存在を
知っていたからか

「異次元の集合エリアって大宇宙の中に無数に存在する星雲
みないなものかな?」

『ちょっと違います
無数にある宇宙の星雲は二次元の時間軸で繋がっていますが
異次元が集合するエリアは時間軸が存在しません』

「んー難しい…もうちっと判り易く…」

『具体的に言へば
二つの異次元間へのワープには時間を要さず
境目を超えるだけで移動できるという感じです』

「おー何となくわかった」

『それでは正面に見える一番大きな球に見える異次元に入りましょう』

「えっ!?あの一番大きな球まで結構時間かかりそうだよ?」

『大丈夫です
異次元が球状に見えるのは時間が歪んでいるからです
このMOSO号が入りたいと思う異次元の球に船首を向ければ
その異次元の方から時間の歪みが延びて来るので
泊まっているMOSO号に触れた瞬間に入ることになります』

「わかった」

僕がMOSO号の船首を一番大きな球に向けると
球がアメーバの動きみたいにぐにゃぐにゃし始めて
触手の様に伸びて来てMOSO号に触れた

その瞬間
《ザバー》と薄暗い海面に浮上した

『着きました』

妹姫がにこにこしながら言った

「えっ!?ここって夢の国の火山の地底湖じゃん…」

『はい』
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