私のパワーアンプは、オーディオの師匠であるNさんに作って頂いたSIC-MOSアンプです。
SIC-MOSというのは、近年に生まれた新しい素子で、MJ誌では金田明彦さんが積極的に使われています。
たいへん音の良い素子で気に入っているのですが、なぜか市販のアンプはなく、今のところ自作を出来る人のみが使用されています。
このアンプはNさんに作って頂いてから数年経つのですが、毎年1度か2度はリニューアルして頂きます。
抵抗を交換するとか、新しいコンデンサーが見つかったからとか理由は様々ですが、どんどん音が良くなっていきます。
そのNさんから「トランスの容量の大きいものが手に入ったので、交換しませんか?」と声をかけて頂きました。
もちろんやって頂きたいのですが、Nさんのシステムで交換後の音を聴かせて頂きたいので、「来週早々に送って、次の日曜日に聴きに寄せて頂きます」と言ってました。
ところが後日、時節柄外出は控えた方が良いということになり、宅急便で送って交換して頂き、宅急便で送り返して頂きました。
Nさんのアンプのトランスは、最新のものはコアの入ったしっかりものになっているのですが、私のアンプのトランスはトロイダルで、交換後もトロイダルです。
そのアンプが昨日返って来ましたので、早速試聴です。
今回のリニューアルは単にトランスだけではなく、電源周りやアース周りも変更して頂いたそうです。
トランスが大きくなったので低域がしっかりしたのは想定通りなのですが、それ以上に音がスッキリして余計な付帯音が少なくなった気がします。
今までの音は、スタジオ録音を聴いてもどことなくライヴ感があって、それはそれで楽しいのですが、リニューアル後を聴くと色付けがあるのがはっきり判ります。
リニューアル後はより正確で、かといってうるささはなく、また一歩理想のアンプに近づきました。
いつもリニューアルして頂くと、「もうこれで充分」と思うのですが、今回もこのままずっと聴いていたい音になりました。
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