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2020年06月25日12:07

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分光器の制作_その2

分光器を組み立ててカメラに取り付けてテストしてみた。

最初は手元にある蛍光灯を撮ってみた。
蛍光灯は管の中に水銀蒸気が封止してありフィラメントで電子を放出することで水銀を励起して発光させる。
水銀は紫外から可視光にかけてたくさんの発光スペクトルがあり、そのうちの紫外線が管に塗られた蛍光物質に当たり各色を発光する。
蛍光灯のスペクトルを見ると蛍光物質の連続光のなかに特定波長の水銀輝線が見える。
物質のなかには非常に近い輝線をもつものがある。
この非常に近いスペクトルを分離できることが分光器の性能となっている。
水銀の場合は576.961nmと579.067nmの線が近く、約2nmしかない。

その他の物質としてはマグネシウム516.733nm、517.270nm、518.362nm
ナトリウム588.995nm、589.592nm
などがある。これらが分離できれば分光器の性能となる。
(水銀とナトリウムは理科年表による。マグネシウムは国立天文台の資料による。)

作った分光器を様々に整備して水銀スペクトルの分離が出来るようになった。
水銀の576.961nmと579.067nmの間のピクセル数は約40ピクセルとなっており、この分光器の分解能は1ピクセル当たり0.05nmが得られることになる。
(十分なコントラストがあればナトリウム線も分離できる。 約0.6nm=12ピクセル。)
写真は蛍光灯の発光スペクトルで、水銀の輝線以外はだいたい蛍光物質の発光色。

DVD−Rを加工した回折格子をいくつも作り良さそうなものを選択できるようにした。

スリットは隙間をできるだけ狭く、長さも短くするほうが解像度が上がるが、スリットを小さくすると光量が減り写真に撮りにくい。
結局スリットは幅約0.15mm長さ約5mmにした。

蛍光灯はレンズは45mmマクロを使い、F=3.2 SS=1/8sec ISO=1600 で撮っている。


写真1: 組み立てた分光器
写真2: DVD−R回折格子(このほかにケースの中に使用中のものが1個ある。)
写真3: 蛍光灯の水銀スペクトル



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