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2020年06月25日11:38

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分光器の制作_その1

今年2月ごろ回折格子を入手したので分光器を作ってみたが、期待したような性能が得られずがっかりした。
どのような期待をしたかというと、”太陽光のフラウンホーファー線が見たい、中でもナトリウム線(D線)を分離したい”というものだ。
太陽光は撮ってみたがD線は見えてもとても分離できなかった。

国立科学博物館理工学研究部 若林文高 氏のDVD−Rを回折格子にする「DVD分光器の回折条件」という論文を偶然見つけた。
 https://www.kahaku.go.jp/research/publication/sci_engineer/download/28/BNSM_E2803.pdf
この論文を参考にして回折角などを計算し、新しく分光器を作ってみようと思いイメージ図を描いてみた。
このイメージ図を基にパーツを入手するために東急ハンズや秋葉原へ行きたいと思ったがコロナ過で外出できないので外出できるまで待とうとしたが、かなり先になりそうなので、近くの100均(ダイソー)や日曜大工センター(コーナン)へ行き使えそうな材料を買ってきた。

イメージ図のようなサイズのプラスチックケースを100均で購入してきたので加工図を描き電動ドリルと電動糸ノコで加工した。
回折格子をわずかに回転させたいのでバーニアダイアルが欲しいと思って、昔作った装置に付いているので取り外して使おうとしたが、やっぱり新しくほしいのでネットで180°のものを1個購入した。(税金、送料込みで¥3,465円)
ほかにカメラレンズとの接続用のステップアップリング(46‐52)1個(手持ちの中にあったもの)

回折格子は以前買ったDVD−Rの未使用のものが20枚ぐらいあるのでそれを使用する。
光学メディアは未使用のものでもレコード盤のミゾのようなトラックがある(機械的なミゾではなく反射率の違いが蒸着されている)
このトラックピッチはメディアによってきめられている。
CD=1.6μm、DVD=0.74μm、BR=0.32μm となっている。
このトラックピッチが回折格子として使える。すなわち CD=625本/mm、DVD=1350本/mm。

作り方はDVD−Rの裏面に中心線を一本引き、その線の両側に10mmまたは15mm間隔の平行線を引く。
外周に近いほうを20mmまたは30mm幅で切り取る。
20×30mmの切手サイズのものが取れる。真四角だと格子方向がわからなくなるので片方を長くする。格子方向はスリット方向と完全に平行にする必要があるので格子方向を間違えないようにする。
裏面の真ん中に格子方向と平行に6φシャフトを接着剤で取り付ける。6φシャフトは日曜大工センターのネジ売り場にいろいろある。このシャフトをバーニアダイアルに差し込みネジで固定する。さらにDVD−R表面に透明板が張り付けてあるので、あいだにカッターの刃を差し込みはがす。
アルミ蒸着の表面に青紫の色素が塗布されているので表面にアルコールを垂らし綿棒でそっとふき取る。色素はアルコールで溶ける。これを2〜3回繰り返す。強くこすると蒸着面が傷ついたりはがれたりするのでできるだけそっと拭く。

スリットは以前は髭剃りの刃を使ったがこれは大きすぎるので小さいカッターの刃を20mm程度の長さで折ったものを2枚用意して鏡筒の先端に隙間を0.15mm程度にして取り付けた。鏡筒は100均で賞状入れの紙筒(50φ×320mm)を買って、内部を黒つや消しスプレーで塗ったが320mmは長すぎるので200mm程度で切断して先端にスリットを取り付け、切り取ったものをその前にフードとして取り付けた。
(フードの先端にシリンドリカルレンズを切って取り付けてみたが効果が無いのでレンズは取り外した。)
スリットと格子方向を平行でスリットを通った光が回折格子の真ん中になるように鏡筒を固定する。(レーザーポインタで調整。)

ケースの蓋にするために3mm厚の黒アクリル板を加工して55φの穴をあける。(黒アクリル板は日曜大工センターで購入。 穴あけはサークルカッターで開ける。)
55φの穴にステップアップリングを取り付ける。このときケースとカメラが平行になる位置に取り付けないと撮った写真が斜めになる。
回折格子を交換したりできるように蓋の部分は取り外せるようにしておく。

写真を撮る前に外光が入り込まないように黒のビニールテープで目張りする。


写真1: 分光器のイメージ図
写真2: 100均などで買った材料
写真3: ケースの加工図(回折角などを計算して合わせる。)

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