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2020年03月21日18:28

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"分光器を作ってみた"その2

先日分光器を作っていろいろテストしてみたが、期待したような性能が出ない。
そこで何が問題なのか詳しく調べるのと、それによってさまざまに改造してみた。
(おかげでポテトチップスを近くのコンビニから何度も買ってきた。ポテトチップスをかじりながら分光器を改造した。)
その結果わかった問題点
 1:解像度が足りない。
 2:分解能が足りない。
 3:入射した光の半分以上が迷光となるのでうまく迷光をカットしないとコントラストが悪い。
 4:いい加減に作ったものはいい加減な性能しか出ない。とくに光軸、回折角、スリット、グレーティング、レンズ(カメラ)の寸法などを正確に計算して作る必要がある。
などがわかって来た。
まず解像度をよくするためにはスリットを正確に作る。スリットの隙間が細いほうが解像度が上がる。最初は黒い紙を2枚付き合わせて1mmぐらいの隙間を作ってみたが思う様に解像しない。細くすると解像度が上がることがわかってきたが紙ではいくらきれいにカットしたものを使ってもスリットのエッジは紙の厚みがあるしケバもある。
そので思いついたのは昔髭剃りに使っていたカミソリの刃を2枚付き合わせて隙間を作ることだ。刃と刃の間に薄い紙を挟んで固定し、固定した後で紙を引き抜くと0.05mmぐらいの均等なスリットが出来る。スリットのエッジは刃なので厚みはほぼ0になる。
このスリットは非常に具合が良く格段に解像度が上がった。(使い古しのカミソリが数枚あったのでスリット幅の違うものを3枚ほど作ってみた。)
しかし問題がある、非常に狭いので光量が少なくカメラのISO感度を1600〜3200、シャッタースピードも1/2秒〜1/50秒ぐらいにしないと写真が撮れない。

分解能はグレーティングの格子数によるので現在のグレーティングが1000本/mmなのでもっと格子数の多いグレーティングを使用したい。
太陽光のフラウンホーファー線のD線(ナトリウム線)は近接した2本からなるがいまの状態では全く分解出来しない。
格子数はDVDが約1300本/mm、先日紹介したフランス製の分光器は2400本/mmもある。

回折角は計算でも出るがレーザーを使って正確に測ってみた。(計算値とほぼ同じだった。)
(波長によって回折角が違うので虹色に並ぶ。)
観測範囲がちょうど画面の真ん中に来るように光軸を合わせる。
グレーティングに赤のレーザー光を当てると真ん中に透過光(0次、で迷光となる)で左右に1次の回折光が現れる、さらにその横に2次、3次・・が出るが1次以外は使わない。
迷光や高次の光をカットするため黒のつや消しスプレーで鏡筒の内部や外側を塗ったがそれでも反射が出るのでさらに鏡筒の内側に植毛紙を貼り付けた。

ここで面白いことがわかって来た。
1:カメラから分光器を外しカメラの替わりに肉眼で見てみると写真よりシャープに見えるし、写真より広い帯域が見える。
つまり青より左側の短波長の紫の領域が見えるし赤の右側の暗赤色の長波長側も見える。
カメラによる違いかと思ってパナソニック、ソニー、ニコン、キャノンなど交換してみたがほとんど変わらない。
露出を伸ばすと少し見えるようになるが他の領域は白飛びしてしまう。
つまりカメラは短波長側や長波長側は感度が低い。(感度は山形になっているので短波長側や長波長側は山裾になっている。)
紫外線側や赤外線側が撮れるセンサーがいるのかもしれない。

2:先日ボケた画像をはっきりさせるAutoStakkertというソフトを入手したので、今回20枚連写したものをAutoStakkertで合成処理してみたら、すこしはシャープになった。
写真「白色蛍光灯スペクトル」の一番下がAutoStakkertで処理したもの。真ん中は連写したものの1枚。


現在のものは一応ここまでの改造で終わりにして今までにわかったことで新しくきちんと作ってみたい。
スリットは幅を広げて光量を増やし、コリメートレンズで集光してグレーティングとの間を可変できるようにしたい。
(グレーティングの前にもう一段スリットを入れたほうがいいかも・・・)
前面に望遠鏡を接続できるようにして太陽や星のスペクトルが見えるようにしたい。
グレーティングの角度を少し変更できるような構造にして帯域の位置を変えられるようにしたい。

などを考えている。

写真
 1:3枚作ったスリットの内の1枚(スリット幅約0.1mm)
 2:回折角の測定(中央が透過光、左右が1次の回折光)
 3:白色蛍光灯のスペクトル(改造前と改造後)(スペクトルが完全な垂直ではないのはスリットと格子が完全な直角になってないから。)
 
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