AIはどこへ行く？

先日NHKで”AIでよみがえる美空ひばり”という番組があった。AIで美空ひばりを再現して新曲を歌わせるというものである。
各方面のエキスパートたちが集まりそれぞれに美空ひばりを作り上げていく。
歌声はヤマハの専門家たちが過去の膨大な資料から歌い方、歌声、しゃべり方などをAIに学習させて美空ひばりの声を作り上げていく。
CGのグループは美空ひばりの顔と振り付けを作り上げていく。
歌手の天童よしみが体にマークを付けて振り付けの基本を作る。
衣装はデザイナーの森英恵氏がデザインする。
作詞家の秋元康氏が新曲の作詞をし、曲を選んでいく。

そうやってチューニングされたAIの美空ひばりに新曲を歌わせる。が、忠実なのだがどこか違う。美空ひばりの知人や熱心なフアンたちに聞かせても違うという。
そこでどこが違うのか詳しく調べるとまず美空ひばりの歌はところどころに高次倍音が出てるという。
高次倍音とは一人の声から２つの音程が出ている。（楽器などでは高次倍音が出ているのはよくある。）
モンゴルの民族音楽でホーミーという発生法で１人の口から低い音と高い音を出すのがよく知られている。
美空ひばりは歌のところどころにそれを出しているらしい。
振り付けも歌い方も微妙にずらすことがあるらしい。
美空ひばりは舞台から観客の状況をみてそれらを微妙に使いこなしていたらしい。

そういった情報を再度AIに学習させ、舞台に等身大のCGを出し、新曲を歌わせる。
それをファンや天童よしみたちはみんな涙を流して見ていた。
（声や歌い方はそっくりだったが、顔はイマイチだったように思う。）

こういった試みは世界中でさまざまに行われている。

こういった人物の再現では会話ができるようになるし人格も持つようになるだろう。
すると例えば亡くなってしまった親しい知人や家族をバーチャルに再現し、生きているときと同様に会話するとどうなるだろうか。
形もCGのような画面ではなくアンドロイドのような実態でそっくりに作ったらどうなるだろう？
我々は彼もしくは彼女として会話できるるだろうか？それともそのようなものとは会話しないと拒絶するだろうか。

現在AIが人間以上の働きをするのがたくさん出てきている。
医療ではAIのほうが的確な判断をくだす実例などが紹介されているし、手術のとき医者を選ぶかAIを選ぶかというときにAIを選択するという意見も出てきている。
以前中国のAIが中国共産党の腐敗を非難したという記事があったが、AIは忖度しないならば裁判に使うのがいいかもしれない。すべての法律や判例を学習すれば現在の裁判官よりはるかに正確な判断ができるだろう。冤罪もなくなるかもしれない。
（うがった見方をすればそうならないのは裁判官が職を奪われるからか・・・）

AIテクノロジーの進歩は想像以上に速い。
以前にも書いたことだがハードウエアは早晩人間の脳細胞の数を超えるだろう。
するとAIが人間の考えを先回りするかもしれない。
未来において人間はAIとどうつきあえばいいのだろうか。
いつまでもテクノロジーを人間が支配することができるのだろうか。

現在のGPUでもトランジスタは１００億をはるかに超える。
人間の脳は１つの動作に数十億のニューロンを構築するといわれている。いずれAIが模倣するようになるだろう。

こういったテクノロジーの進歩について過去何度も書いてきた。
https://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=39904538&id=1953452792　　（科学技術の先走り）
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1955449729&owner_id=39904538　　（コンピュータの行く末）
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1959352244&owner_id=39904538　　（人工知能について）
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1963768317&owner_id=39904538　　（量子コンピュータについて）
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964112527&owner_id=39904538　　（頭部のすげ替え）

先日サウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃されたことがあったが。そのうち戦争は無人機と無人機の戦いになるのだろうか。無人の戦車はAIで敵を見定めて攻撃するという。
そういう戦争の勝敗はどうなるのだろうか。
無人機と無人機の戦いは物を壊すだけだが、物を壊さず人間だけを殺す兵器も考えられている。
そうなると究極の戦争とは物を壊すだけなのか人を殺すだけなのか。
そうなるとAIがはるかな高みから人間の争いを見てるようになるのかもしれない。