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2017年09月30日16:46

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薔薇の葬列

先日テレビに池端慎之介が出ていた。
池端慎之介=芸名ピーターは今から50年前「薔薇の葬列」という映画に出ていた。
この映画で彼はゲイボーイの役で出ていたが、映画に出たことで一躍有名になった。

監督、脚本は松本俊夫のいわゆるアバンギャルド映画、実験映画、アングラ映画で、出演者はゲイボーイ、有名人などがすべて実名で出ている。
当時松本俊夫は特異な映像作家として知られており、若者に人気があった。
この映画は松本俊夫の劇場映画第一作である。その後数本作っている。

物語は六本木(だったと思う)のゲイバーでの話で、ピーターはそこのゴーゴーダンサーだった。
あらすじは
ギリシャの3大悲劇の一つにソフォクレスの「オイデイプス」があるが、これの反対の話になっている。
オイデイプスは、知らずに父を殺し母と交わる話なのだが、薔薇の葬列は知らずに母を殺し父と交わる話になっている。
映画は真実と虚構が入り混じり、撮影中のハプニングも色々出てくる。
淀川長治も出演しており例の「・・・・サヨナラ・サヨナラ」が出てくるのは笑っちゃう。
当時の新宿や六本木の風俗、ベトナム戦争、デモなどの社会現象描写があったり血みどろの場面があったりと、今から思うととんでもない映画だった。
いったい松本俊夫はこの映画で現代の悲劇を表そうとしたのか、毒を描いたのか。

池端慎之介はピーター・パンのような美少年と呼ばれていてそれで芸名をピーターとしたらしい。
現在60をとうに過ぎているはずだが(たぶん65,6歳)今でも少年のような細身の体で、立ち振る舞いもとてもそのような老人とは思えないのに驚かされた。

松本俊夫はするどい激越な論評で当時の映画を切っていた。
私は松本俊夫の評論に傾倒し、彼が黒木和夫らと「映像芸術の会」を立ち上げたとき入会した。

私は当時の映画関係の書籍、雑誌、パンフレットなどたくさん持っていたが、数年前映画関係の古書店にすべて処分した。
ところが本棚を調べてみると全部処分したと思っていた映画関係の資料がいくつか出てきた。
松本俊夫の本2冊を含む書籍がいくつかと当時映像芸術の会で「映像芸術」という評論集を出版していたが、それが数冊があった。
写真はその当時の「映像芸術」6冊だ。
今開いてみてもなかなか面白い。
「映像芸術における今日の課題」といった大上段に振りかぶったタイトルもあれば、「ヒロシマーベトナム」という現状を考えたものもあるかと思えば関根弘(詩人)の「大股びらき」というシナリオもある。

松本俊夫は次に「修羅」という映画を作った。
これは歌舞伎の忠臣蔵外伝の「盟三五大切」(かみかけてさんごたいせつ)を映画化したものだ。
主演は中村嘉葎雄が源五兵衛を演じていたが、この映画の終わりのほうはものすごい血みどろの映像となっている。
物語は歌舞伎や浄瑠璃によくある良かれと思ったことが裏目に出てどんどん追い詰められていく話だが、追い詰められていくところが当時の社会情勢と附合しているのか。

2年ほど前夢野久作の「ドグラ・マグラ」を読んだが、あとで知ったことだがこれを松本俊夫が映画化している。
(残念ながらまだ見てない)

松本俊夫は晩年はいくつもの芸術大学の教授をしていたが、今年4月に亡くなった。(享年85歳)



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