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2019年12月15日13:23

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種子法廃止で日本が「遺伝子組換え作物」の氾濫国へ!(その2)

■種を制する者は世界を制す

ボクシングの格言に「左を制する者は世界を制す」というものがある。

左でジャブを繰り出す技術が優れた者は、右ストレートで試合を有利に制することができる

というもの(右利きが前提だが)だ。

同様に「種を制する者は世界を制す」という言葉もある。

要は農業は種から育てるものだから、それを握ってしまえば

世界を制することができるという意味だ。

だが、こうした言い方は専門家の間には評判が悪い。

「公の秩序および善良な風俗」に反するからダメというのは大雑把すぎる。

それを理由にしたのでは大岡裁きと同じで、他の条文が不要になってしまうからだ。

だが企業の力は強大になり、それを持ち出さなければならないほどのレベルになった。

それが「種子法の廃止」だと思う。

だから個別の法理で闘いたい気持ちはやまやまだが、

それで事足りるような事態ではなくなったのかもしれない。

種自体が企業の所有物となり、他の人々は単に種を借りて育てる

農奴の位置に落とされるからだ。

■科学の名の下に無視される倫理

思えばアメリカで生物特許が出されたときに、「そんなバカな」と人々は思いながらも

正面切って反対できなかった。

そして「遺伝子の順序」が特許の対象にされてしまったときにも同じ反応だった。

そして2018年2月、科学誌では名高い「ナショナル・ジオグラフィック誌」に

「人間と羊のハイブリッド胎児の作製に成功」との記事が出た。

この羊と混合された子は「人間への移植を目的とした臓器作製向け」だそうだから、

殺されて臓器を提供することを目的に生み出されることになる。

この子の人権などは考えられていない。

勝手に羊と遺伝子が混ぜられ、殺されるために生まれるのだ。

私はめちゃくちゃな話だと思う。人には倫理的にしてはいけない領域がある。

こんなことをしてしまったのは、専門家たちが「大雑把すぎてカッコ悪い」と

反対するのにためらっていたことの結果ではないか。

正面切って反対しなければならないものが登場するほど、人間の力は強大になり、

それを利益で結集させる企業が強くなりすぎたのだと思う。

原子力もそうだった。

今や高くて危険で役立たないことが明らかになっているのに、まだ日本では廃止できない。

小さな芽の時点でなくしておけば、こんな数万年も管理しなければならない

厄介ものなど生み出さずにすんだだろうに。

敢えて大原則を振りかざして、禁止させなければならない技術に直面していると思うのだ。

その1つが遺伝子組み換え作物だ。

■不明瞭な「主要農作物種子法」廃止

2017年、「主要農作物種子法(以下、種子法)の廃止が決められ、

2018年4月から施行された。

大学教授が「種子法は廃止すべきでない」と触れたところ、

生徒から「種の保存がされなくなることを授業で問題にしましたが、

何か政府の側からの良い点が示されていたのではないでしょうか?

一方的でない授業を望みます」という意見をもらったそうだ。

その学生の懸念は、「偏った授業をしている」というものだったのだろう。

廃止法案は政府が閣議決定して法案を通したのだから、

そこに「良い点」が書かれていなければならない。

そこには「戦略物資である種子・種苗については、国は、国家戦略・知財戦略として、

民間活力を最大限に活用した開発・供給体制を構築する。

そうした体制整備に資するため、地方公共団体中心のシステムで、

民間の品種開発意欲を阻害している主要農作物種子法は廃止する」とあるのみだ。

この中のどこが良い点だと読み取れるだろうか。

種子法は「民間の品種開発意欲を阻害している」主要農作物種子法は廃止する

というのだから、「民間の品種開発意欲を阻害している」ことが問題なのだとなる。

■得をするのは「特定の企業」だけ

では、民間はなぜ開発意欲を阻害されるのだろう。

それは開発費用を掛けたとしても、高く売れないことに尽きる。

要は、民間が開発した種子を高く売りたいのだ。

ところが種子法は都道府県を主体として良い種を作り、農家に高くない価格で提供している。

それが「阻害している」というのだ。しかもすべての作物の話ではない。

ここは「主要農作物」が対象で、具体的には「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」だけを指す。

それ以外の作物の種には「育苗法」が適用され、育苗法は「品種の育成の振興と

種苗の流通の適正化を通しての農林水産業の発展に寄与する」ことを目的としていて、

品種育成をした企業などのパテント(知的財産権)を保護することにしている。

今回の「種子法廃止」では、法の残る部分は「育苗法」に併合されることになっている。

つまり種はパテント(特許)付きのものばかりになり、自然のものだったはずの種が

いつの間にかすべて「特許対象」となってしまうのだ。

そして農業ビジネスはその対象として主要農作物である「稲、大麦、はだか麦、小麦

及び大豆」をも対象にしようとしている。

そこで気付くのは、それらの作物は容易に遺伝子操作の対象作物になり得るということなのだ。

つまり遺伝子操作作物を拡大しようとする企業以外に、

今回の廃止法案の動機がないことになる。

■問題だらけの遺伝子組み換え作物

世界の遺伝子操作作物は、生産物の順で「大豆、トウモロコシ、コットン、ナタネ」で

99%を占める。

コムギは直接食用にすることからアメリカすら認可に慎重で、

すでに実験的に作られてはいるが、栽培されるのは2020年頃と言われている。

またコメもすでに実験はされているものの、世界的に栽培されていない。

今回の種子法廃止の対象の主要農作物は、「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」

なのだから、戦略的に種子法の枠を外す必要のある作物だと言えるだろう。

その遺伝子操作作物は、モンサントの場合には農薬グリホサート
(商品名「ラウンドアップ」/特許切れにより各社が販売していて今は百均でも売られている)

を撒かれても枯れず、他の雑草のみが枯れることを目指したものだ。

だから「ラウンドアップ・レディー(ラウンドアップに抵抗性のあるの意)」と呼ばれる。

ところが生命はさらにそれを超えてくる。

「スーパー雑草」と呼ばれる抵抗性のある雑草が蔓延る結果となったのだ。

もう1つの問題点は、人間の健康に対する影響だ。

ラウンドアップは人間が体内で作ることができない「必須アミノ酸」の1つである

「トリプトファン」組成を妨げることで草を殺す。

ところがこの「トリプトファン」こそ人間の体内でインスリンを作るのに必須のアミノ酸なのだ。

もしラウンドアップが土壌などに残っていれば、糖尿病を増加させるかもしれないし、

遺伝子組み換え作物そのものが影響するかもしれない。

そして現実に、アメリカでの糖尿病患者の増加と、遺伝子組み換えの

大豆・トウモロコシ生産量との間に相関関係があるのだ。

次のグラフは、糖尿病の発病と「大豆とトウモロコシの遺伝子組換えされたものの耕作比率」、

同じく「大豆とトウモロコシに撒かれたグリホサート入りの収穫量」を示すものだ。

ここには相関関係があると見ていいだろう。

フォト


スーパー雑草の発生などで、遺伝子組み換え作物の生産コストは急上昇することになった。

そこでモンサントは他社の除草剤成分を混入させる試みをずっと進展させている。

従来のラウンドアップで枯れなかった植物を、より根絶やしにしようとしているのだ。

そうやって作られていく作物が、ヒトにどのような影響を及ぼすのか、とても心配になる。

■種子法が生まれた理由と功績

そもそも種子法は戦後直後の1952年(昭和27年)に制定されたように、

戦後の食糧混乱期に制定されている。十分に人々が食べられない時代に、

冷害に強かったり気候風土に見合う食味の良いものを栽培、

研究し、都道府県単位の気候に合うものを作り、推奨することで

食糧の生産増大を目指してきたものなのだ。

しかもその種はエフワン種(F1)というようなハイブリッド種ではない。

そのエフワン種は「雑種第一代」とも呼ばれ、違う品種の野菜を

人間が意図的にかけ合わせて作ったものだ。エフワン種とは雑種を掛け合わせることで

「ヘテロシス」と呼ばれる「トンビが鷹を生む」現象を利用したものだ。

とても優れた種になる。ところが、生まれた「鷹」同士を交配させて種を採ると、

元の「トンビ」の雑種に戻ってしまうのだ。

だからその一世代だけがいい種になる。逆に言うと、農家が自家採種して育てることができない

永遠に買わなければならない種なのだ。

ところが種子法で作って来た作物は「エフワン種」ではない。

その作物から自家採種して育てたとしても、同様の優れた作物が作れるのだ。

そのため種子法は「主要作物」のみに限定されている。

数限りない作物の中で、「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」を主要農作物として、

政府、自治体が関与して種を守ると同時に風土に見合った種を地域に推奨してきたのだ。

とても手間のかかる作業に加えて、その地域の特性に合わせた種を選別してきた。

それが「主要農産物種子法の意味」だった。

だから「自家採種」が基本だ。自分で種を持つことが基本的人権の1つだから、

それを国が保証するための法だった。

特に大変なのは純粋系統の種を作ることだ。栽培に使う種を「原種」といい、

その種を作るために栽培したものを「原原種」という。

それが他の種と交配しないようにしなければならない。

たとえば大豆など、4キロ周囲に植えられた種と交配する可能性がある、

だから栽培者は神経を使って栽培し、守ってきたのだ。

■廃止の根拠に「生産コスト削減」があるが…

種子法廃止の根拠として、「生産資材の価格の引き下げ」をするという文脈で

語られていることもある。

しかしこれまで種子法によって守られてきた種の価格は安い。

この制度を廃止して壊せば「生産資材の価格が下がる」としたら、

種代ではなく「農薬代」などを指しているとしか考えられない。

主要農作物の種を作ったメーカーは、種子法では安くて開発費用を賄えない

と言っているのだから、種は安くなりようがない。

実際には、種子の値段は高くなるだろう。

利益を求める企業が「公共種子」より安く供給できるはずがない。

にもかかわらず、「生産資材の価格の引き下げを行う」というのは、

百均でも販売しているようなグリホサート(除草剤)を前提にしているとしか思えない。

とするとこの「種子法廃止」の理由は、グリホサートを撒いても

枯れない遺伝子組み換え作物が使われることを予定しているとしか思えないのだ。




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