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2022年05月13日16:58

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アンネ・フランクと旅する日記(Where Is Anne Frank)

 第2次世界大戦下にユダヤ人の少女アンネ・フランクが空想の友だち宛てにつづっていた「アンネの日記」を原案に描いたアニメーション映画。「戦場でワルツを」のアリ・フォルマンが監督・脚本を手がけ、アンネの空想の友だち、キティーの視点からアンネの生涯をたどる。現代のオランダ、アムステルダム。激しい嵐の夜、博物館に保管されているオリジナル版「アンネの日記」の文字がクルクルと動き出し、キティーが姿を現す。時空を飛び越えたことに気づかないキティーだったが、日記を開くと過去へとさかのぼり、親友アンネと再会を果たす。しかし日記から手を離すと、そこには現代の風景が広がっていた。キティーは目の前から消えてしまったアンネを探し、アムステルダムの街を駆け巡る。(映画.comより)





<2022年5月8日 劇場鑑賞>

 斬新な発想ですね。しかも、アニメだから、なんでも表現できてしまう。これはうまいと思いました。もちろん、話のコアは、教科書で習う「アンネの日記」。でも、それが現在とリンクし、ナチス下の当時しか知らないキティは、あちこち「アンネ」の名前を冠したものばかりの現実(今)と、知っているはずの友人とは違う”ペーター”の存在とに戸惑うのです。博物館に飾られているはずの「アンネの日記」。でも、キティはそれと一緒にいることによってアンネと共に存在し、手放すと現在にトリップ、そして長く手放したままいると自分自身が消えてしまうことを知ります。

 そして、この物語は、歴史をたどるばかりではなく、現在でも同じように虐げられた人々が存在し、どちらに存在しても”大して変わりない”現実を目の当たりにすることになる・・・そんなことを描きます。では、今できることとは何か。アンネと共に過酷な過去を経験しているキティは”今、できること”に果敢に挑みます。それは「難民の保護」とか「弱きを守る」ことなのでした。

 ”現代のペーター”はキティに恋したりします。ま、アンネが存在しないのだから当然かもしれませんね。キティを追う警察も「時代にそぐわない格好をしている若い女性」などと連絡しあって探します。そんな風に言うのかな、ってちょっとウケました。服装なんてその人の自由なのに、時代にそぐわない格好って・・・。あと、”現代のペーター”は消えそうなキティに「君を愛している」と声高に告げます。こんな若い子が、こんな短期間で「愛している!」って・・・。情熱的なんですね。名作「アンネの日記」も、こうやって時代で変化してゆくのですね。

 個人的には、「オードリー・ヘプバーン」と続けて見たので、どちらもナチス時代の辛さ、ひもじさが描かれていて、ダブルパンチで少ししんどかったのですが、目の付け所と言い、話の展開と言い、とてもよくできた映画だと思いました。アンネもキティも、かわいいし。疲れてなくて、頭がよく働くときに、どうぞ。
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